米VeriSignは7日、DNSのワイルドカード設定の使用に対して懸念を示したIAB(Internet Architecture Board)の文書に対する回答を発表した。
VeriSignは9月15日より、同社の管理する.comと.netのゾーンにおいて、ワイルドカードを利用したWebナビゲーションサービス「Site Finder」を提供していた。しかし、各方面からの非難が高まったことでICANNからの停止要求を受け、現在はサービスを一時停止している。
IABの文書は、DNSのワイルドカード設定一般について述べたものとはいえ、矛先がSite Finderに向けられているのは明らか。今回のVeriSignの回答ではまず、ワイルドカードの利用がRFCに準じたものであることを確認した上で、同社の運営する.comと.netのネームサーバーが十分な処理能力を持っていることを説明。インターネットの安定性やDNSのパフォーマンスに影響を与えることはないとしている。
存在しないドメインからのメールをスパムと判断するスパムフィルタリングが機能しなくなるという指摘については、そもそも存在しないドメインからのスパムは3%しかないと指摘。同時に、フィルタリングソフトのアップデートにより、ワイルドカードにも容易に対応できるはずだという。
また、すべてのユーザーに対して強制的に英語のSite Finderページが表示されるという指摘については、ドイツ語や日本語、スペイン語、フランス語、中国語など他の言語によるページも近い将来提供することで対応するという。さらにVeriSignでは、メールサーバーへの影響やプライバシー、他のプロトコルへの影響などの観点でも同社の考えを表わしている。
VeriSignでは同じく7日、インターネットユーザーがSite Finderを支持しているとの調査結果も発表した。これによれば、サービス停止を命じられた10月3日までに、4,800万回以上の利用があったという。また、Site Finderを使った人の84%が、エラーメッセージを受け取るよりもSite Finderのほうがよいと答えたほか、61%がSite Finderによって目的のサイトが見つかった、53%がSite Finderによってインターネットが改善されたと答えたという。
VeriSignのNaming and Directory Services部門担当副社長であるRussell Lewis氏は、「インターネットユーザーは明らかに、Site Finderを役立つサービスとして見ている」とコメント。今後もユーザーやインターネットコミュニティからのフィードバックを受けながらサービスを改善する姿勢を示している。
関連情報
■URL
VeriSignのニュースリリース(英文)
http://www.verisign.com/corporate/news/2003/pr_20031007a.html
VeriSignのニュースリリース(英文)
http://www.verisign.com/corporate/news/2003/pr_20031007b.html
IABの文書(英文)
http://www.iab.org/documents/docs/2003-09-20-dns-wildcards.html
・ 米VeriSign、問題の「Site Finder」サービスを一時停止(2003/10/06)
( 永沢 茂 )
2003/10/08 16:10
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