米マサチューセッツ工科大学(MIT)の学生2人がキャンパス全体で使える合法的なCDジュークボックスを開発したことが明らかになった。これにより各地の大学キャンパスで問題となっている違法なファイル交換ソフト利用への需要が減少することが期待されている。
このシステムは「Library Access to Music Project(LAMP)」と呼ばれている。LAMPの特徴は、音楽を再生する際にインターネットではなく、MIT全体に敷設されているMITのアナログCATVシステムを使用するために、再生される側で音楽をデジタルコピーすることができない点にある。再生する人はCDを聴くことはできるが、ダウンロードしたりコピーすることはできない。そのためLAMPでは音楽を合法的に再生するために多くのラジオ局が加入しているような「アナログ」ライセンスを比較的安価に受けることができ、ファイル交換ソフトを利用する時のように著作権を侵害するおそれもない。
LAMPの使用方法は、音楽を再生したければLAMPのWebページに行きCDを選択。そのページからCDのポーズ、巻き戻し、早送りなどの操作を行なえる。この操作を行なうとMITのCATVを通して音楽が再生されるが、音質はFMラジオよりは良いが、CDほどではないという。
LAMPの開発は、MITの電子工学とコンピュータサイエンスの大学院生、Keith Winstein氏(22歳)と同専攻の3年生Josh Mandel氏(21歳)によって行なわれ、MITコンピュータサイエンス教授Hal Abelsonの指導を受け、MITとMicrosoft Researchの共同イニシアチブiCampusの財政的支援を受けている。
開発した2人によると、LAMPの伝送機器を揃えるのに約1万ドル、そして再生するためのCD 3,500枚をMP3フォーマットでLoudeye社から購入するのに約3万ドルかかったという。開発者2人とMITはLAMPをオープンソースにし、ロイヤリティなしで他の大学にも利用できるようにする予定だ。またこのシステムは大学だけでなくCATVシステムを有している街ならどこでも同様のシステムを実装することが可能だという。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://lamp.mit.edu/lamp-release.txt
Library Access to Music Project(LAMP)
http://lamp.mit.edu/
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2003/10/28 12:11
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