矢野経済研究所は、2002年度の無線LAN市場に関する調査結果を発表した。この調査によれば、無線LAN市場は2005年までに556億8,000万円に達するという。
本調査は2003年7月から9月にかけて、無線LAN製品ベンダー15社を対象に行なった直接取材をもとに同研究所がとりまとめたもの。2002年度の無線LAN市場規模は前年比140%の398億4,700万円に達したという。機器別ではアクセスポイントが前年比145.2%の212億4,000万円、クライアントが前年比126.8%の186億700万円。ただし、無線LAN機器の低価格化のために数量の伸びに対して金額ベースの伸びは鈍化しているという。
無線LAN市場の拡大要因について同研究所は、製品の低価格化に加えて個人ユーザーの家庭内におけるLANの必要性やブロードバンド回線の普及などから需要が増加したと予測。無線LANが有線LANの補完的利用から代替的利用へと変化しつつあるとの考えを示した。一方法人市場についてはIEEE 802.11a、IEEE 802.11g製品の投入が遅れたものの、WPAなどセキュリティを強化した製品や802.11a/gコンボ製品の投入などで今後は回復傾向にあると見ている。
無線LAN機器の規格別動向は、2002年度の金額ベースでIEEE 802.11bが80%で、IEEE 802.11aが18%、IEEE 802.11gおよびIEEE 802.11a/gがそれぞれ1%となった。同研究所では2003年度は802.11gが標準化されたため、今後は802.11g、802.11a/gが市場を牽引していくと見ており、2003年度には金額ベースで802.11bが15%、802.11aが5%、802.11gが34%、802.11a/gが46%になると予測している。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.yano.co.jp/press/2003/031030.html
関連記事:2001年度の無線LAN機器市場、前年比140.7%の172億7,600万円
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/1016/yano.htm
( 甲斐祐樹 )
2003/10/30 17:35
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