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2002年に全世界で生産された情報量の合計は約2万3,000ペタバイト


 2002年に全世界で生産された情報量が、合計で約2万3,000PB(ペタバイト)にも達するとの調査結果が発表された。これは、米カリフォルニア大学バークレー校のSchool of Information Management and Systemsが2000年以来毎年発表しているもので、印刷物などのいわゆる「ストック」データと、電話などの「フロー」データに分類し、適当なサンプルをとって総データ量を推定している。なお、1PBは1,000TB(テラバイト)に相当する。

 調査によると、紙の印刷物、フィルム、電磁的ストレージメディア、光学的ストレージメディア(CD、DVDなど)に記録された情報量は約5,000PBだった。そのうち電磁的メディアに記録された情報は92%に達した。フィルムは7%、紙は0.01%、光学的メディアは0.002%だった。

 これに対して電話、ラジオ、テレビ、インターネットなどを通して流れるフローデータの合計量は年間約1万8,000PBに達した。このうち98%にあたる約1万7,300PBは、固定電話と携帯電話による通信だった。

 これらフローデータのより詳しい内訳について見ていくと、インターネット上のWeb、インスタントメッセージ、メール、P2Pファイル交換などに分類できる。

 インターネット上のWebは大きく2つに分けられる。1つはいわゆる静的なWebページで、その総量は167TBだった。一方、データベースなどによって生成される動的なWebページの総量は9万1,850TBで、その総量は静的なWebページの400倍から450倍多いと見積もられている。また、最近流行のBlogだが、この調査段階で290万のアクティブなBlogが存在し、合計81GBの情報量を持つと見積もられている。

 2002年の1年間で全世界で送信されたメールの総量は、66万7,585TBと推定されている。しかし、迷惑メールがメール全体のトラフィックの3分の1も占めると考えられており、そのためオリジナルなコンテンツを含むメールの総量は全トラフィックの約3分の2に相当する44万604TBと33万3,007TBの間だろうと推定される。メールは、電話に次いで大きなフローデータだった。

 インスタントメッセージの年間情報量は274TBで、米Nielsen//NetRatingsの調査によると、米国のインターネットユーザーのうち家庭では40%が、会社では31%がインスタントメッセージを利用していた。

 また、P2Pファイル交換の実態も調査された。ファイル交換ソフトを使用している40万ユーザーのサンプルを24時間間隔で調査したところ、9%のユーザーがファイルを共有しており、そこには198万426ファイル、14.4TBの情報が存在した。ユーザーはしばしば100MBを超えるファイルを交換し、100MB以上のファイルコレクションを持っている。調査中交換された最も大きいファイルサイズは32GBで、共有ファイル数が最も多かったユーザーは1万583ファイルだった。最もファイルサイズが大きいファイル形式はAVIで、平均は100MBから200MBの間だった。ただし、ユーザーの間で最も多く共有されているのはMP3ファイルで、ユーザーのハードディスクの約60%を占め、データ量の約30%を占めていた。

 なお、この調査はMicrosoft Research、Intel、Hewlett Packard、EMCの財政的支援を受けて行なわれている。


関連情報

URL
  調査結果(英文)
  http://www.sims.berkeley.edu/research/projects/how-much-info-2003


( 青木大我 taiga@scientist.com )
2003/11/04 13:38

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