セキュリティ関連企業の米PivXが新しい種類のセキュリティサービス「Qwik-Fix」のベータテストを開始した。これはWindowsやInternet Explorer(IE)のセキュリティホールが発見されてからMicrosoftがセキュリティ修正プログラムを公開するまでの間、Qwik-Fixサービス加入者のPCを守るというもの。
近年のウイルスは感染速度が速いため「セキュリティホールが公開されてから、いかに速く穴をふさぐか」がセキュリティ業界のひとつの課題となっており、同社の試みはこれに対するひとつの回答といえる。
PivXは、WindowsとIEに特化してセキュリティを研究しているセキュリティコンサルタント会社。これまで同社の研究者の一人がIEの中に含まれている「未だ塞がれていないセキュリティホールの一覧」を記したWebサイト(通称:Unpatched)を公開していたが、このWebサイトは先月公開が中止された。
同社によれば、これはMicrosoftがすべてのセキュリティホールをふさぐために今までにない努力を開始したためであり、このWebサイトを閉鎖することによってウイルスライターの情報源を奪い、インターネット利用者全体を益することになるためだと説明した。なお同社では、このページを閉鎖するよう誰かに言われたためではないことを強調している。
このようなWindowsとIEについての研究成果を活かし、Qwik-Fixでは理解されているがふさがれていないほとんどすべてのセキュリティホールをふさぐ役割を果たす。これはQwik-Fixのソフトウェアをダウンロードしてインストールすることによって可能になるもので、新たなセキュリティホールが発見されるたびにQwik-Fixを通して新たなセキュリティ修正プログラムが提供される。Qwik-Fixは、セキュリティホールをふさぐためだけであるため、ウイルス対策ソフトやファイアウォールのようにリソースを必要としないメリットがある。
このサービスは現在無料のベータテスト期間中で、同社の注意事項に同意すれば誰でも無料でインストールできるが、バージョンが若くまた不安定なベータバージョンであるため、利用者は十分な注意が必要となる。なお、PivXではQwik-Fixが既に数千人のユーザーと複数の企業でテストされているとしている。
関連情報
■URL
Qwik-Fix
http://www.pivx.com/qwikfix/
Unpatched
http://www.pivx.com/larholm/unpatched/
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http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0313/pivx.htm
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2003/11/05 11:53
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