情報処理振興事業協会セキュリティセンター(IPA/ISEC)は、2003年9月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況を公開した。IPAの窓口にメールやFAX、郵送で届出があったウイルス被害状況をまとめたもので、国内からの報告を対象にしている。
10月のコンピュータウイルス届出状況は、「W32/Swen(Swen)」が509件、「W32/Klez(Klez)」が312件、「W32/Sobig(Sobig)」が142件など、全体で1,602件の届出があった。これは、9月の届出件数1,794件に比べれば減少しているが、2003年の月平均件数約1,400件を引き続き上回る件数となった。
Swenは、マイクロソフトからの修正プログラムに偽装した添付ファイルをメール送信するウイルス。9月の届出件数219件から2倍以上増加した。IPAでは、「マイクロソフトを詐称するのは、脆弱性を解消しようとする意識の高いユーザーの心理を付いた巧妙な手口。だまされないように最新の注意が必要」と警戒を呼びかけた。
一方、不正アクセス届出件数は9月の39件から減少し、30件となった。侵入が4件、ワーム形跡(未遂)が17件。メール不正中継(2件)や、アドレス詐称(3件)、ネットオークションなりすまし(1件)などあったという。
IPAでは今月の呼びかけとして、「セキュリティホールの解消」を挙げた。「10月もマイクロソフトの製品Windows XP/2000や、Windows Exchange Serverに重大なセキュリティホールが発見された。これら脆弱性を悪用した第2のBlasterが出現する可能性がある」とし、セキュリティホールの早急な解消を呼びかけている。
関連情報
■URL
コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況について
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2003/11outline.html
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( 鷹木 創 )
2003/11/06 17:24
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