通信総合研究所(CRL)と東京エレクトロンは7日、民生用HDV(High-Definition Video)カメラの映像と音声を、日米間の国際ブロードバンド回線でIP伝送する実験に成功したと発表した。これまでは高価な専用エンコード/デコード装置が必要だったHD映像のIP伝送を、コンシューマ用機器の組み合わせで実現したという。
IP伝送実験は日本時間の5日朝、北海道大学と米スタンフォード大学の間で行なわれたもので、ビクターのデジタルハイビジョンカメラで撮影した映像(HD-MPEG2/SD-MPEG2)がPC用ソフトウェアだけを使って配信された。これまでもDV(Digital Video)品質の映像を伝送するPC用のDVTS(Digital Video Transport System)ソフトはあったが、非圧縮伝送のため40Mbps程度の帯域が必要だった。これに対して今回の実験では、MPEG2圧縮されたデータを伝送することで、DVよりも高精細なHD映像の配信を20Mbps程度の帯域で実現しているという。
今回使用されたソフトは、2社が共同開発し、すでに東京エレクトロンで製品化されている非圧縮映像配信ソフト「Ruff Systems」をベースに、HDVフォーマットに対応させたもの。東京エレクトロンでは、「Ruff Systems HDV版(仮称)」を来春にもリリースする予定で、インターネット環境におけるパケット損失やエラーの訂正機能の実装を進める。DVよりも高精細な映像を広い画角で見られるため、遠隔教育や医療などの分野で活用が期待できるとしている。
関連情報
■URL
CRLのニュースリリース
http://www2.crl.go.jp/pub/whatsnew/press/031107/031107.html
東京エレクトロンのニュースリリース
http://www.tel.co.jp/cn/press/ruff_press_01.html
関連記事:ISID、Windows XPで稼働するDVTSソフト「DVcommXP」発売
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0313/isid.htm
( 永沢 茂 )
2003/11/07 19:54
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