米Microsoftの運営するMSNが、欧州で総合ニュースサイト「MSN Newsbot」のベータテストを開始していることが明らかになった。このサービスは米Googleがベータテストを行なっている「Google News」とよく似ており、4,000以上のニュースソースからコンピュータによって自動的にニュースを収集し、重要であると判断したものを写真付きのヘッドラインとして表示している。
MSNの説明によると、このコンピュータアルゴリズムでは同じ内容のニュースをどれだけのニュースサイトが記事にしているか、いつ記事がニュースサイトに掲載されたか、何人の人がそのニュースを閲覧したか、といった情報に基づいてヘッドラインの編集を行なっているとのこと。
こうした抽出方法と表示方法はGoogle Newsと酷似しているが、ひとつ大きく異なる点はMSNがMicrosoftのPassportサービスを利用してMSN Newsbotユーザーの嗜好を分析しているということだ。Passportにログインした状態でこのMSN Newsbotを閲覧すると、ユーザーのこれまで興味を示した記事に基づき嗜好を分析し、その嗜好に合ったニュースを自動的に表示するようにプログラミングされている。
そのためPassportにログインした状態で表示されるヘッドラインと、ログアウトした状態で表示されるヘッドラインとでは内容がずいぶん異なってくる。MSNではこのサービスでプライバシーが侵害されることはなく、MSNのプライバシーポリシーに則って運用していることを強調している。
こうしたPassportユーザーによる情報を収集することにより、将来的にはMSN Newsbotのサービスをさらに増やしていき、人気のあった記事のランキングや同じ記事を読んだ人がほかにどのような記事を読んでいたかを表示するなど、さまざまなパーソナライズサービスを提供したいという。
MSNはこのベータテストを英国、フランス、スペイン、イタリアの欧州4カ国で開始しており、最も大きな利用者数を持つ米国では行なっていない。開発にはニュースヘッドラインを提供するアグリゲーター企業Moreover社とMicrosoft Researchが関わっており、ニュースソースの選別などにはMoreover社が大きく関与していると考えられる。
関連情報
■URL
MSN Newsbot(英文)
http://uk.newsbot.msn.com/
説明とFAQ(英文)
http://uk.newsbot.msn.com/About.aspx
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2003/11/18 11:57
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