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日立AirLocation
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日立製作所と日立電線は、IEEE 802.11bに準拠した無線LAN対応端末を、誤差1~3mの精度で特定する位置検知システム「日立AirLocation(エア・ロケーション)」を開発、11月20日から提供を開始する。価格は最小構成で500万円から。
日立AirLocationは、TDOA(Time Difference Of Arrival、到来時間差)測定に基づく三辺測量によって位置を検知するシステム。誤差1~3mでの位置検知が数秒単位で可能であり、日立製作所では誤差10m程度のGPSよりも高精度な検索が可能だとしている。
利用には専用のサーバーや基地局が必要になるが、無線LAN端末はIEEE 802.11bに準拠していれば制限はない。端末には専用のアプリケーションなども必要なく、IPアドレスで端末を管理する仕組みを採用している。
本システムでは、1台の無線LAN基地局をマスタ、3台の無線LAN基地局をスレーブという形で配置し、それぞれの位置をあらかじめ正確に把握しておく。位置検知を行なう場合、マスタからスレーブおよび位置を測定したい無線LAN端末へ同期信号を送信。次にスレーブは無線LAN端末から発信された同期信号を受信し、その時間差によって端末の位置を割り出す。日立製作所によれば、「理屈は簡単だが、反射やノイズの影響の中から本当の応答を探し出す技術が必要になる」としている。
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AirLocationのシステム構成
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無線LAN位置検知の仕組み。最小4台から位置検知できる
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ユビキタスプラットフォームグループCOOの篠崎雅継氏
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日立AirLocationの具体的な利用イメージとして、倉庫内の物流管理が挙げられた。荷物を移動するフォークリフトで無線LAN端末を利用し、荷物やフォークリフトの位置管理を行なうことで、入庫時間を半分に短縮できるという。ただし無線LAN端末は電源が必要なために、荷物そのものの位置検知を行なうことは難しく、「フォークリフトの動いた軌跡を確認して位置情報を把握する」といった利用形態が想定されている。
本システムの価格は個別見積となり、管理サーバー1台、位置検知サーバー1台、AirLocation基地局5台、無線LAN端末5台、ソフトウェア「AirLocationエンジン」などを含む最小構成の価格イメージは500万円程度。販売開始当初は倉庫や物流での探索システム、展示場や遊園地での情報配信システムとして提供していく。売上目標としてはサービスを含み年間50億円が目標として挙げられた。
日立製作所 ユビキタスプラットフォームグループCOOの篠崎雅継氏は、「オフィスなどで無線LANの導入が進む一方、屋内での位置管理については高度なサービスが求められている」とコメント。屋内に関してはGPSやPHSよりも高精度な位置検知が可能だと自信を示した。また、RFIDタグについては「電波の到達距離が1m程度であり、リーダが必要な点で(AirLocationとは)異質なもの」と説明。「いつ、どこで」を検知するのが位置測定であり、「何を」を識別するのがRFIDタグであるため、棲み分けは可能だと語った。
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物流向けのソリューション
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物流管理のシステムデモ
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日立AirLocationの無線LAN端末
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端末の位置をモニターで確認できる
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関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/031119.html
( 甲斐祐樹 )
2003/11/19 17:18
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