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TTCスペクトル管理SWG、上り帯域拡大方式への干渉を巡り会議が紛糾 |
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今回上り帯域を拡大した方式については、GSVが前回会合で提案した方式につき住友電工およびNECの2社からクロスチェックのための計算結果が提示された。また、イー・アクセスがCentillium Japanおよび住友電工の2社と共同で、先月のITU-T SG15会合で標準化に向けた合意が行なわれたばかりのG.992.5 AnnexMをベースに独自の拡張を行なった新方式に関する寄書を提出した。 しかし、このイーアクセスら3社の新方式（以下“3社方式”）について、GSVやソフトバンクBBらが「既存のG.992.1 AnnexC FBM方式（以下“FBM方式”）の下りへの干渉が線路長1kmあたりから見られるなど、非常に干渉の度合いが大きい」、「FBM方式はJJ100.01 第2版ではクラスB（保護対象外）となったとはいえ、当面は経過措置として同回線に対する保護判定基準値が参考資料として掲載されており、事業者間合意でも事後対策（詳細は下記参照）の対象となっていることを考えると、同方式には問題がある」として同方式のクラス分けに反対を表明した。 これに対し、イー・アクセスや住友電工らは「FBM方式は基本的に長距離向け方式であり、近距離でしか使われない3社方式とは住み分けが可能だ」と反論、「それを言うなら、GSVの上り帯域拡大方式（以下“EU-G方式”）は、3社方式に比べFBM方式の上りへの干渉はむしろ大きい」としてEU-G方式のクラス分けに反対を表明、一時審議が紛糾する事態となった。 結局、休憩をはさんで審議を再開した結果、3社方式については当日提案されたばかりの新方式ということを考慮して、提案者の3社以外の企業によるクロスチェックを経て、メールベースで審議を進めることとなった。また、EU-G方式については、今回会合で第三者のクロスチェックが一部を除いて完了したということで、この後距離制限などの値の確認を経て、来週26日にもクラス分け結果が公表される運びとなった。ただし、両方式ともFBM方式への影響が大きいことから、次回会合において今後のFBM方式の取り扱いについて改めて協議することとなった。 このほか、現在G.992.1 AnnexA Shaped-Overlap方式（以下「AnnexA sOL方式」）について行なわれている、FBM方式への干渉が大きい場合に事後的に干渉を与えた側のISPが収容替えを行なう“事後対策”についても、EU-G方式や3社方式がFBM方式に大きな干渉を与えた場合、同様の措置を取るかについては、次回会合までに関係するDSL事業者が集まって協議を行なう方向で調整が進められる模様だ。 ただ今回の審議中、ソフトバンクBBの筒井多圭志CTOが「上り帯域拡大方式は、現存する1,000万のADSLユーザーに非常に大きな影響を与える可能性が高く、導入には慎重な検討が必要」と述べるなど、今回提案された方式だけでなく、上り帯域を拡大した方式全般について導入に反対とも取れる姿勢を一時見せた。上り帯域の拡大を巡っては、今後も各事業者がそれぞれの思惑で激しい議論を行なうことが予想されており、今回提案された2方式についても、同方式を利用したサービスが順当に開始されるかどうかは予断を許さない。 関連情報 ■URL TTC「DSL専門委員会スペクトル管理SWGに関する情報」 http://www.ttc.or.jp/j/info/dsl/dsl.html 関連記事：TTCスペクトル管理SWG、24M ADSLのスペクトル適合性確認法について合意 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0704/ttc.htm ■関連記事 ・ TTCスペクトル管理SWG、GSVの長距離向け「G-Boost方式」など適合性確認へ（2003/10/20）
（ 松林庵洋風 ）
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