オーバーチュア株式会社は4日、ビジネス戦略に関する記者説明会を開催した。説明会には、オーバーチュア・サービシズ オーバーチュア・インターナショナルプレジデントのブライアン・スティール氏が来日、説明を行なった。
● 日本は米国に次ぐ重要な市場
|
オーバーチュア・サービシズ オーバーチュア・インターナショナルプレジデントのブライアン・スティール氏
|
スティール氏はまず、全世界のインターネット人口を5億8,000万人のうち、eメールに続いて人気のあるツールが「サーチ」だと語った。とある調査では、インターネットユーザーの85%がサーチからWeb閲覧を始めるという。オーバーチュアのグローバルネットワークで受ける1カ月の検索数は70億回で、この要求に応えるためのストレージを100TB用意している。ストレージは過去9カ月間で170%の成長を続けているという。
次に、イエローページやダイレクトメールといった従来の検索型広告とサーチを比較した。既存の広告がすでに100年の歴史を持っているのに比較して、サーチはたった6年で主要な広告ツールとなった。スティール氏は、「イエローページやダイレクトメールは、ユーザーの興味のあるなしにかかわらず投資を行なわなければならず、ユーザーの選定にもコストが発生する。一方、サーチはすでに興味を持っているユーザーを最初から対象にすることができ、企業はそこに存在するユーザーに対してだけ投資をすればいいのが特徴だ。サーチによって、従来の広告戦略では投資の半分が無駄だといわれていた問題が解決した」と語った。
今日の有料検索広告市場は20億ドルに達し、その内10億ドルがオーバーチュアの売上となっている。2004年には、市場規模が30から40億ドルになると見込まれているほか、将来的には100から200億ドルの市場規模に成長すると予測されている。
オーバーチュアは1997年9月に設立された企業で、2001年第3四半期に黒字に転換した。スティール氏は、「広告検索という新しい分野を開拓したことを非常に誇りに思っている」とコメントする。現在までに、英国や日本をはじめ米国以外で10カ国の海外展開を行なっているが、2004年にはこれが2倍になる予定だ。
オーバーチュアでは、日本を米国に次ぐ重要な市場として認めている。日本における2002年の広告市場は475億ドルで、その内イエローページが13億ドルなのに対して、インターネット広告は7億400万ドルしかない。インターネット広告は全体の1.5%のシェアしかもっていないことについて、スティール氏は「1.5という数字はオーバーチュアにとって落胆する数字ではなく、むしろ非常に喜ばしい数字だ。なぜならば、まだまだ成長の余地があるということを示しているし、その成長はオーバーチュアが担うことができるからだ」と述べた。
● 2004年に新Yahoo!サーチ投入
記者説明会に続いて行なわれた質疑応答では、Googleとの関係やYahoo!との関係に質問が集中した。まず、Googleとの関係については、「Googleは競合企業であると同時に、競合企業ではないとも言える。それは、Googleのスタンスとオーバーチュアのスタンスが異なっているからだ。オーバーチュアは広告配信技術を配信パートナーに提供する企業であり、その意味ではGoogleは競合ではない。もし、Googleが競合企業とするならば、それは我々の配信パートナーにとって競合するものだと言える」と答えた。
次にYahoo!との関係については、「買収されたことで、Yahoo!のサーチを強化することが可能になった。その結果、配信パートナーに対してより一層いいものを提供することが可能になった。Yahoo!JAPANとオーバーチュアジャパンは、例えれば、いとこ同士のような関係だ。以前から顧客という形で取引があったが、今後は一層関係を強めていくだろう」とコメントした。また、オーバーチュアが持つallthewebやaltavistaなどの検索エンジンの日本への投入については、「単体での投入というよりは、Yahoo!と統合した形の新Yahoo!サーチを来年に投入する予定でいる。私の考えでは、新Yahoo!サーチはGoogleを超えるものになると思う。なぜなら、altavistaは世界で最高のマルチメディア検索技術を有し、allthewebは世界で最高の言語サーチ技術を有しているからだ。オーバーチュアは買収時に、61のサーチに関連する特許を持ち込んだ」と述べた。
関連情報
■URL
オーバーチュア
http://www.overture.co.jp/
関連記事:メジャーサイトへの最も安価な広告手法
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/1206/overs.htm
関連記事:オーバーチュア、日本での本格展開を開始
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/1204/overture.htm
関連記事:検索結果を広告として利用する「Overture」が日本進出
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/0627/over.htm
( 岡田大助 )
2003/12/04 20:12
- ページの先頭へ-
|