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P2Pでも有効なコンテンツ販売方法「Payshare」をスイス企業が発表


 スイスのANNO 2003社は8日、音楽、映画、電子書籍など、どのようなコンテンツであっても合法的にP2Pネットワークやインスタントメッセージなどを利用して配布、販売できる新しいビジネスモデル「Payshare」を発表した。本格的なサービス開始はまだだが、サービス開始時にコンテンツを販売できるようにコンテンツ事業者が事前登録するサイトが用意されている。

 Payshareを利用してコンテンツを販売するには、まずANNO 2003のWebサイトにコンテンツを登録する。登録すると、コンテンツにはデジタル透かしが入れられ、固有の「PayshareID」が割り当てられる。PayshareIDが割り当てられたコンテンツは、P2Pネットワークやメール、インスタントメッセージ、Webサイトからの配布など、どのような方法で配布されても構わないという。

 配布されたコンテンツを購入した人は、コンテンツの「共同出版者」としてダウンロードしたコンテンツから登録できる。共同出版者もまたコンテンツ作成者と同じようにどのような方法でコンテンツを配布してもよく、その上自分の配布したコンテンツが誰かに購入してもらえると、コンテンツ作成者が定めた一定の割合の支払いを受けることができる。

 例えば、最初にコンテンツ作成者からダウンロード購入した人(第1次共同出版者)が配布したコンテンツを誰かが購入すると、第1次購入出版者はその額の50%の支払いを受け、さらに第2次共同出版者は30%の支払いを受けるといった具合だ。何代先までの共同出版者が何割の支払いを受けるかはコンテンツ作成者が決めることができ、PayshareIDで識別される。

 あるバンドが楽曲を販売しようと思った場合、自分のWebサイトからダウンロードした最初の共同出版者には無料で楽曲を提供し、第2次共同出版者の代から料金の支払いを受けるという料金体系を決めることで、できるだけ迅速に楽曲が世に広まることを狙う戦略もあり得る。このように共同出版者に対してどれくらいの割合の支払いを設定するかはコンテンツ配布ビジネスモデルの重要な戦略となり得るし、同時にコンテンツを配布する際の帯域幅コストを大幅に削減することが可能になる。

 ANNO 2003はこのビジネスモデルを実証するために、Payshareとは異なる独自のソフトウェアの配布を開始した。これは「ANNO 2X」と呼ばれる動画圧縮ソフトウェアで、DVD品質の映画をテレビ放送並みの画質に落としてオンラインで配布しやすくするためのソフトである。このソフト自体をPayshareで販売することでコンセプトの実証と、オンラインでの動画配布をしやすくする狙いがあるもとと思われる。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.payshare.net/news/


( 青木大我 taiga@scientist.com )
2003/12/09 12:06

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