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M'tel端末
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ブロードバンドモバイルコミュニケーションズ(BMC)は、携帯型のインターネット電話端末「M'tel(もってる)」を12月18日より発売する。端末の価格は26,000円、月額料金は3,000円で、端末間は無料で通話できるほか、固定電話や携帯電話との発着信サービスも予定されている。
M'telは、IEEE 802.11bに準拠した無線LAN対応の携帯型電話端末。月額料金は3,000円で、端末間は無料で通話できるほか、2004年1月中旬にはフュージョン・コミュニケーションズと提携した固定電話との発着信サービスも提供予定だという。その際の通話料金は固定電話が3分7.5円、携帯電話が1分20円、国際電話は米国の場合で1分8円。
M'telの電話番号は、ユーザーが加入する固定電話の番号の末尾に「#」をつけたものが割り当てられる。この番号とインターネットに接続したM'telのグローバルIPアドレスを同期させることで通話が可能になる仕組み。
M'telの電話番号はあくまで端末のIDとして利用されるため、実際にはどんな番号でも対応できるが、BMCの外越久丈代表取締役によれば「ユーザーの利便性を考えて自宅の電話番号と同じものにした」という。なお、M'telへ申し込みの際は電話料金の請求書などを提出させ、ユーザーが加入する電話の番号かどうか確認を行なうとしている。
着信は地域に依存せず、日本全国または海外であっても可能だとしている。また、こうしたインターネット経由の着信サービスについて外越氏は「総務省ともすでに話し合いを重ねている」とコメント。端末のTELEC認証もすでに取得しているという。
M'telでの通話には、専用基地局「BMC BOX」を利用する。無線LANアクセスポイントにBMC BOXを設置することで、ESS-IDやWEPを全国共通で利用できるほか、BMC BOXで受け取ったデータがM'telかどうかを判別、M'tel以外のデータはアクセスポイントへ流す機能も搭載しているという。BMCBOXの販売価格は29,000円。
なお、BMCBOXがなくともM'telのESS-IDやWEPをアクセスポイントごと自分で設定することで通話サービスは利用可能という。また、M'telではBMCBOX用のESS-ID以外に1つ設定できる。
M'telの本体サイズは4.83×2.03×13.46mm(幅×奥行×高)、重量は111g。待ち受け時間は約23時間、通話時間は約3.6時間で、呼制御プロトコルにはSIPを、音声コーデックにはG.711/G.729aをサポートする。現在は電話機能のみ対応するが、今後はブラウザ搭載やゲーム機能なども予定しているという。
M'telの第1弾端末は富士通の社内ベンチャーが開発、製造を台湾メーカーが担当しており、2004年3月頃には三洋電機製の端末も発売予定だという。また外越氏は「カシオ、京セラからも端末について話を進めているほか、サムソンも端末のひな型を作成している」と付け加えた。
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BMCの外越久丈代表取締役
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外越氏は、「固定のIP電話は普及してきたが、モバイルのIP電話はまだ広まっていない。BMCが世界に先駆けて普及させる」とコメントした。このサービスについてはすでに特許も取得しているという。
M'telの収益構造については「端末ではほとんど利益にならない」とコメント。月額料金3,000円のうち2,000円がBMCの収入となり、残り1,000円はBMCBOXを設置したユーザーで分配するビジネスモデルだという。
BMC BOXは今後3~4カ月で約30万カ所に設置する予定で、サービス開始当初は拠点間通話が主に利用用途になるという。また、韓国のKT Corporationとも業務提携を行ない、KTの公衆無線LANサービス「NESPOT」でのサービス展開も2004年半ばに立ち上げる予定とした。さらに自動販売機への設置なども予定しており、すでにある事業者とは話が進んでいるという。
M'telの普及目標について外越氏は「最初の12カ月で169万台、その後3年以内に500万から1,000万台を目指す」とし、携帯電話のヘビーユーザーを取り込んでいく考えを明らかにした。また、「2004年1月には車で移動しながら使えるサービスを発表する」予定だという。
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M'tel端末。バックライトは青く光る
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BMC BOX
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【以下19:10追記】
BMCとの提携についてエッジでは「livedoor SIP フォン モバイルはBMCと関係がなく、まったく知らない話」とコメント。「本日中にこの件を否定するプレスリリースを行なう」としている。
【以下20:21追記】
初出時、以下の記述がありましたが、エッジはBMC外越代表取締役のコメントを否定するニュースリリースを発表しました。BMC外越氏がエッジとの提携を発表会において明らかにしたことは事実ですが、提携先とされるエッジが否定リリースを発表したことから、編集部では提携はないものと判断、本文から以下記述を外しました。詳細は関連記事をご参照ください。
(BMC代表取締役外越氏は)すでに同様のサービス「livedoor SIP フォン モバイル」を提供しているエッジとは「BMCと提携している」とコメント、M'telとlivedoor SIP フォン モバイルとの無料通話も可能とした。端末も同じものを利用しているが、BMC用にカスタマイズしているという。ただしエッジは050番号を利用するのに対して、M'telは市外局番から始まる0AB~J番号を利用する点が違いとなるほか、「エッジでは無線LANであればどこでも使えると発表していたが、実際には(BMCと同様)BMC BOXが必要になる」と付け加えた。 |
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