エコーネットコンソーシアムが19日、ホームネットワーク規格「エコーネット」対応製品の開発状況などを広く紹介するセミナーを東京都内で開催した。同コンソーシアムの会員である家電メーカー各社がエアコンなどを遠隔操作するデモを披露したほか、関西電力が開発したエコーネット対応ブロードバンドルータも展示された。
関西電力がベンチャー会社のヴィストと共同開発した「お客様情報化ゲートウェイ」は、FTTHやADSLなどのブロードバンドネットワークと家庭内ネットワークを相互接続するものだが、LAN側でエコーネットやHAVi、電力量計の自動検針機能などをサポートしている点が通常のブロードバンドルータと異なっている。LAN用の10BASE-T/100BASE-TXポートや無線LANカードスロットのほか、エコーネット用として電灯線モデムインターフェイス、HAVi用のIEEE 1394ポートを装備。パソコンなどのインターネット端末だけでなく、エコーネット対応の家電機器やホームセキュリティ装置、HAVi対応のAV機器が接続できるようになっている。一方、WAN側は10BASE-T/100BASE-TXポートのほかに100BASE-FXも搭載しており、メディアコンバータ内蔵によって光の直収が可能となっている。
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お客様情報化ゲートウェイ。人気PCシリーズの色をヒントにしたという
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お客様情報化ゲートウェイを利用したサービスのイメージ図
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関西電力ではこのゲートウェイを利用して、FTTH契約世帯向けに、エコーネットによる家電制御をはじめ、グループ会社の関電SOSによるホームセキュリティ、ケイ・オプティコムによる高速インターネット接続、さらに将来的にはコンテンツプロバイダーによるビデオオンデマンドなどを一括提供するサービスをイメージしている。すでに、2001年から社員宅での実証実験にも取り組んでいたという。
新たに開発されたゲートウェイは、ビデオデッキサイズだったという従来モデルの問題を解決したもの。200×140×50mm(幅×奥行き×高さ)というサイズに収め、設置場所やデザインの問題を解決した。また、OSをLinuxに変更し、組み込み系OSでネックとなっていたアプリケーション開発の期間と費用も低減している。ただし、多くのホームネットワーク規格を盛り込んだことにより、1台18万円という価格がネックになる。今回のセミナーでは、エコーネット対応の人感センサーやWebカメラなどで留守宅の侵入者の映像をとらえ、サーバーに記録したり携帯電話に表示するシステムが詳しく紹介されたが、ゲートウェイ自体が高価であるため、実用化にはまだ時間がかかりそうな模様だ。
このほかセミナー会場では、家電を相互接続するための技術仕様として先日発表されたばかりの「iReady」も紹介。三菱電機、東芝、シャープ、三洋電機の4社のエアコンにiReadyアダプタを接続し、無線LANやBluetootht経由で、タブレットPCなどから操作するデモが披露されていた。また、松下電器産業がすでに製品化しているホームネットワーク家電システム「くらしネット」も展示されており、専用コントローラから電子レンジを操作するデモなどが行なわれた。
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iReadyのデモ。複数メーカーの製品をネットワーク化している
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タブレットPCのコントロール画面
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iReadyアダプタの無線LAN版
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iReadyアダプタのBluetooth版
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関連情報
■URL
エコーネットコンソーシアム
http://www.echonet.gr.jp/
関西電力
http://www.kepco.co.jp/
関連記事:4万kmに及ぶ光ファイバー網が強みのケイ・オプティコム/関西電力
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/0613/bs1.htm
関連記事:三菱など家電メーカー4社、エコーネット準拠の接続仕様「iReady」発表
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/12/17/1547.html
関連記事:松下、ネットから遠隔操作が可能な洗濯機、冷蔵庫、オーブン
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0716/kurasi.htm
( 永沢 茂 )
2003/12/19 18:32
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