全米レコード協会(RIAA)が違法に音楽をダウンロードしている個人を対象に訴訟を開始して以降、ファイル交換ソフトを使って音楽ファイルをダウンロードする人の数が急激に減少していることが明らかになった。インターネットが社会に及ぼす影響について調査している米国の非営利プロジェクト「Pew Internet & American Life Project」と調査会社の米comScore Media Metrixが調査結果を発表した。
2003年3月と5月頃に行なった調査では29%(約3,500万人)がファイル交換ソフトで音楽をダウンロードしていたのに対して、11月18日から12月14日にかけて行なわれた最新の調査ではその割合が14%(約1,800万)にまで減少していた。
半年も経たないうちに15%も減少したことについて、調査結果の共著者でPewのリサーチスペシャリストであるMary Madden氏は、「ダウンロード行為を認める人は今や少ないことが予想できるが、これほど劇的にインターネット上の特定の活動が減少するのは見たことがない。comScoreのデータは、何か著しいことが起こったのだということを確証している」とコメント。RIAAの訴訟による影響と明確に断定はできないものの、インターネット利用者に大きな変化が起きていることを指摘している。
comScoreのデータによると、ファイル交換ソフトの利用者数も減少している。2002年11月と2003年11月に行なわれた調査結果を比較すると、Kazaaが15%、WinMXが25%、BearShareが9%、Groksterが59%減少していた。その一方で合法的な有料音楽サービスのWebサイトへの関心が高まっており、2003年11月にはNapster.comを320万人が訪れ、米Apple ComputerのiTunes Music Storeには270万人が訪れていたとしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.pewinternet.org/releases/release.asp?id=71
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http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/09/09/386.html
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http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/08/06/58.html
関連記事:「音楽のネット配信売上減少はファイル共有サービスと関係がある」
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/1105/coms.htm
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2004/01/05 11:58
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