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トレンドマイクロ、2003年のウイルス感染被害年間レポートを発表


 トレンドマイクロは7日、2003年のウイルス被害年間レポートの最終版を発表した。同レポートは2003年1月1日~2003年12月31日までのデータを集計したもので、2003年に最も被害の報告が多かったウイルスは「WORM_KLEZ」の4,041件となっている。このほか、被害報告の多かったウイルスの順位は以下の通り。

順位 ウイルス名 種類 被害件数 発見時期
1位 WORM_KLEZ ワーム型 4,041件 2001年10月
2位 WORM_NACHI.A ワーム型 3,265件 2003年8月
3位 VBS_REDLOF VBScript型 2,754件 2002年4月
4位 WORM_MSBLAST ワーム型 2,381件 2003年8月
5位 WORM_SWEN.A ワーム型 1,766件 2003年9月
6位 BUGBEAR ファイル感染型 1,552件 2002年9月
7位 WORM_OPASERV ワーム型 1,473件 2002年9月
8位 TROJ_DLUCA トロイの木馬型 710件 2003年10月
9位 JS_FORTNIGHT JavaScript型 709件 2002年5月
10位 TROJ_ISTBAR トロイの木馬型 620件 2003年10月


 報告件数の1位は2001年10月に登場したWORM_KLEZだったものの、2位の「WORM_NACHI.A」は4位の「WORM_MSBLAST」から派生したウイルスであり、両者を加えて5,000件以上の被害報告のあったWORM_MSBLAST(Blaster)が実質的には最も被害の大きいウイルスという結果になっている。

 同社では、2003年の特徴として、前述のWORM_MSBLASTや「WORM_SQLP1434.A」など、Windowsのセキュリティホールを直接攻撃し、ネットワークに接続しているだけで感染の危険がある「ネットワークウイルス」の被害が拡大した点を挙げている。また、「TROJ_ISTBAR」のようにWebページからダウンロードさせるタイプのウイルスも多かったほか、P2Pファイル交換ソフト「Winny」を利用した「WORM_ANTINNY.A」のように日本固有のウイルスが登場するなど、新しい感染経路を利用するウイルスも今後さらに注意が必要だとしている。

 一方、以前は被害の多かったメールを媒介として感染するウイルスについては、海外では被害の大きかった「WORM_MIMAIL」が、日本ではほとんど被害の報告がなかったとしている。これについて同社では、日本のユーザーにはメールの添付ファイルや英語のメールなどについての警戒が浸透しているためと分析している。ただし、視覚的にユーザーを欺いたり、英語ではなく日本語で件名や本文を表記するようなタイプのウイルスについては、引き続き大きな流行が懸念されるとしている。


関連情報

URL
  2003年度ウイルス感染被害年間レポート
  http://www.trendmicro.com/jp/security/report/report/archive/2003/mvr2003-12.htm
  トレンドマイクロ
  http://www.trendmicro.co.jp/

NAC、2003年のコンピュータウイルス届出状況を発表(2004/01/07)
ウイルス感染被害は落ち着いた傾向に~トレンドマイクロ12月度レポート(2004/01/06)


( 三柳英樹 )
2004/01/07 16:21

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