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IEにおいて、新たにパッチ未公開の脆弱性が2種類発見される


SANS Instituteなどが示す回避策の一例
 セキュリティベンダーの米SANS InstituteやデンマークのSecunia社は、Internet Explorer(IE)において、新たに2種類の脆弱性を発見したと発表した。深刻度は「MODERATE(3段階の2番目)」と「LOW(3段階の3番目)」だという。これらの脆弱性に関しては、マイクロソフトからセキュリティ修正プログラムが提供されていないため、回避するにはIEのアクティブスクリプトを無効にするか、ほかのブラウザを利用する必要がある。

 MODERATEの脆弱性は、Webサイト中に記述された「ShowHelp()関数」を、IEが実行する際のチェック不足が原因だという。ShowHelp()は、PCのローカルに存在するCHM(Compiled Help Module)ファイルをWebサイト上から呼び出すためのものであり、ローカルの最も緩いLocal Security Zoneで実行されるため、危険性が高い。

 この脆弱性が悪用されると、CHMファイルのパスさえわかれば、CHMファイルでなくてもCHMファイルとして実行することができるという。したがって、攻撃者が細工を施したCHMファイルをWebサイト上で公開した場合、そのサイトを閲覧したユーザーはサイトを閲覧しただけで、細工が施されたCHMファイルをローカルに保存した上で、任意のプログラムを実行される可能性がある。

 SANS Instituteでは、IEのインターネットオプションにあるセキュリティ設定から、「アクティブスクリプト」を無効にすることでこの脆弱性を回避できるとしているほか、IE以外のブラウザの利用などを推奨している。

 LOWの脆弱性は、HTMLファイルをローカルで開いた場合に、HTMLファイルから引数付きコマンドを実行される可能性があるというもの。この脆弱性を悪用した場合、攻撃者はHTA(HTML Applications)ファイルを実行するコマンドである「mshta.exe」を利用して、Webサイト上のHTAファイルをユーザーに実行させることができるという。

 ただし、この脆弱性をインターネット上のWebサイト経由で直接攻撃することは難しいため、危険度は最も低い「LOW」と設定されているという。SANS Instituteでは、この脆弱性はほかの脆弱性と組み合わせて利用される可能性が高いと指摘した。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.sans.org/newsletters/risk/vol3_1.php
  ニュースリリース(英文)
  http://www.secunia.com/advisories/10523

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( 大津 心 )
2004/01/13 18:17

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