|
事務所入り口には貼り紙。事務所内は電気が消え、閑散としている
|
ジャパンメディアネットワーク(JM-Net)は19日、東京地裁に自己破産を申請した。負債総額は20億円を超えると見られる。
同社は2002年10月、携帯電話の外部接続端子にアダプタを装着することでIP網に接続し、月額固定料金のみで通話料が無料となるサービス「mobdem(モブデム)」を発表。2003年のWIRELESS JAPAN 2003ではブースを出展し、サービスのアピールや販売代理店の募集を行なっていた。
定額制サービスを提供するとしていたJM-Netだが、発表当初からそのサービス内容を疑問視する声が挙がっていた。サービス提供が困難と見ると同社は提供予定日(2003年8月)を延期し、サービス内容を変更。アダプタを使って国際電話経由で通話するいわゆるコールバック方式の定額制サービスを展開するとした。
しかし2003年9月、JM-Net株を73.9%保有していた親会社の大盛工業がIP携帯電話開発事業から撤退を表明し、JM-Netの株式を売却すると発表した。大盛工業では撤退の理由を、「これまで資金面で援助してきたが、IP携帯電話事業を行なうためにはさらなる投下資本が必要で、事業採算をとることが難しい」と説明していた。また、これに伴って、大盛工業から出向していた非常勤役員も引き上げる形となった。
破産処理を行なった東京弁護士会によれば、JM-Netの債権者は約4,000人、負債総額は現在集計中とのこと。しかし、負債総額は20億円を超えるものと見られる。破産申請は先週行なわれ、翌週の19日には受理されたとしており、これは「通常の破産申請よりも早い展開」だという。
1月20日現在、JM-Netの事務所は閉鎖中となっている。入り口には、破産管財人による財産の換価、債権者への配当を行なうため、事務所内のものを持ち出してはならないとのJM-Net代理人の通知が貼られていた。
|
|
事務所のあるビル
|
今年1月4日には、JR町田駅付近の路上でモブデムを紹介していた
|
関連情報
■URL
ジャパンメディアネットワーク(現在アクセスできない)
http://www.jm-net.com/
大盛工業
http://www.ohmori.co.jp/
( 津田啓夢 )
2004/01/21 18:49
- ページの先頭へ-
|