電子情報技術産業協会(JEITA)は23日、同協会Webサイトで「パソコン個人ユーザのセキュリティ対応強化策ガイド」を公開した。
同ガイドでは、ファイアウォールやWindows Update、ウイルス対策ソフト、無線LAN使用時の注意点などセキュリティ対策全般に関する事柄だけでなく、データのバックアップや、Windowsのログオンパスワードの設定といった基本的な知識、PCの譲渡や廃棄処分における注意点などを、「購入時」「日常使用時」「譲渡時」「廃棄処分時」の4パートに分けて解説する。著作権や個人情報保護法、オンラインショッピングの注意点などインターネットを利用する上での注意点も説明しているほか、関連するリンクも掲載している。
初期設定として、Windowsのログオンパスワードの設定方法を解説。Windows XPユーザー向けには、「アカウントのロックアウトしきい値」の設定を推奨している。また、メールに関しては、Outlook Expressを具体例として、メールソフトの設定方法を例示。セキュリティの設定として、「ほかのアプリケーションが私の名前でメールを送信しようとしたら警告する」設定やウイルスの可能性がある添付ファイルの保存や実行を防ぐ設定を選択するよう勧めている。さらに、「見知らぬ相手からのメールは開かない」「迷惑メールは返信しない」「チェーンメールは転送しない」などの注意点も記載した。
Webブラウザの設定については、セキュリティレベルを中以上に設定することを推奨。Webサイトの閲覧では、「怪しげなWebサイトは利用しない」ことを警告した。オンラインショッピングに関しても掲載し、「信頼できる会社を選ぶ」「Webサイトをしっかりチェックする」「大切な内容はプリントアウトする」などの注意点を提示したほか、トラブルが生じた場合に備えて国民生活センターや日本通信販売協会のリンクなども掲載している。
ソフトウェアやPCの譲渡時についても説明。ソフトに関しては、譲渡が可能かどうか、ソフトウェアの使用許諾書を確認するよう求めている。また、譲渡が可能な場合でも、ソフトウェアのメディアがオリジナルかどうか、マニュアルやユーザー登録関連の添付文書などがそろっているかどうかを確認するよう注意を促している。PCの譲渡に関しては、データ消去についてHDDの構造などから解説。ごみ箱のデータを削除しただけでは、データを完全に消去できないとし、専用ソフトやサービスを利用するほか、物理的にHDDを破壊するなどの方法を推奨している。
PCの廃棄時については、「資源有効利用促進法(改正リサイクル法)」を中心に説明。「PCリサイクルマーク」のついた家庭系使用済みPCの廃棄方法などを解説している。JEITAの推進する「Reduce(廃棄物の抑制)」「Reuse(廃棄物の再使用)」「Recycle(廃棄物の原材料としての再利用)」の「3R」にも触れている。
JEITAでは、「市場には多くの解説書籍などが発売されているが、難しいという意見が多い。また、PCメーカーの責任としてセキュリティ対策を解説した」とガイド公開の経緯を説明。「購入から廃棄までの注意点を網羅した。初心者だけでなく幅広いユーザーに利用して欲しい」としている。
関連情報
■URL
パソコン個人ユーザのセキュリティ対応強化策ガイド
http://it.jeita.or.jp/perinfo/committee/pcmarket/guide0401/
( 鷹木 創 )
2004/01/23 17:13
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