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NTTの独占を許している制度の改正が必要〜BBAの孫正義理事長が講演


孫理事長の講演は、予定の50分間を1時間近くも超過する熱弁となった
 ブロードバンド推進協議会(BBA)が27日に開催した会合で、理事長を務める孫正義氏が講演を行ない、通信容量やネットワーク構造などの技術的問題はもちろんのこと、公正な競争が行なえるよう制度上の問題の解決に向けて、BBAとして協力して活動していくべきと訴えた。

 孫氏は独占禁止法の運用について、通信と電力という2大独占産業に対する規制が「まだまだ手ぬるい。不正競争の山である」と指摘。事実上、市場を独占しているNTTの光ファイバについて「そもそも、本当に民間事業者になってからフェアな条件のもとで敷設し始めたものなのか」との疑問を投げかけ、固定電話の加入者から徴収する72,000円の施設設置負担金や政府の保証債、電柱など「独占時代の権利の上に成り立っているインフラ」だと反論した。にもかかららず、NTT東日本が回線の卸売り料金以下の価格設定でBフレッツを提供しているとして公正取引委員会から排除勧告を受け、これを退けた件について「独占的立場にある企業がまったく反省感なしにやっている。いかにアンフェアな状態で、NTTが独占的な状態で競争をやっているかという大いなる事例だ」と強調した。

 このほか、ADSLの受け付け時に電話加入権の名義を確認する業務支援(OSS)システムでもNTTが名義人のデータベースを独占している結果、Yahoo! BBでは、申し込み者と加入権の名義が異なるために受け付けがはじかれてしまう例が現在も10数%あるという。このような「名義NG」の場合、Yahoo! BBでは確認作業に手間がかかり、通常は平均4日で開通するところ、平均32日かかってしまうとともに、それに伴い1カ月に2億円の費用が発生していると述べた。さらに、名義NGのうちの30%は加入をあきらめてしまうとしており、営業コストに直すと1カ月に10億円のロスが発生しているという。

 孫氏はこのほか、連結決算で1兆円以上の利益を出しているにも関わらず、相互接続料の値上げを求めているNTTグループに対して、独占事業で得た利益をブロードバンド事業の宣伝につぎ込んでいるなどと批判。また、電話の引っ越し手続きなどで利用する「116」番号でADSLのジョイントマーケティングを行なっている事例も確認されているとして、持ち株会社制ではない本当の会社分割が必要と強調した。

 技術上の問題としては、麻生総務大臣が、ブロードバンドの普及により日本における通信量が2003年末で40Gbpsに達したとして通信インフラの容量不足に懸念を示したことについて、「すでにYahoo! BBと外部との通信だけで46Gbpsを超えており、1カ月以内に50Gbpsを超えると予測される」と説明。「総務省の数字ですらすぐに古くなるペースで通信量が急激に増えている」として、BBAでもこの問題に対処していかなければならないと述べた。

 また、インターネットエクスチェンジ(IX)が東京に集中していることから、地震やテロなどの災害で「日本のインターネットが壊滅してしまう」危険性を指摘し、「1日も早くIXを日本中に分散しなければならない」と強調した。同日、ソフトバンクBBの子会社でIX事業を展開するBBIXが大阪にIXを開設するとの発表があったが、孫氏はこのほかにも札幌、仙台、名古屋、広島、福岡でも2003年上半期中にIXサービスを開始することを明らかにした。


関連情報

URL
  ブロードバンド推進協議会
  http://www.bbassociation.org/
  関連記事:ブロードバンド推進協議会が設立総会を開催。設立時の会員企業は23社
  http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0707/bb.htm
  関連記事:公取委、NTT東への審判を2月25日に開始〜Bフレッツの料金設定問題で
  http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/01/20/1792.html


( 永沢 茂 )
2004/01/27 18:33

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