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NTT Com、回線や端末に応じて映像品質を可変できる双方向通信システム


 NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は3日、回線速度や端末性能に適した品質で、遅延のないリアルタイム双方向映像通信を実現するシステムを開発したと発表した。

 このシステムでは、NTTサイバースペース研究所が開発した「スケーラブル映像符号化技術」を利用している。1つの映像フレームを複数レイヤに分けて画像圧縮する技術で、再生時にレイヤごとに復号化して重ね合わせることで、荒い画質から鮮明な画質まで再現できるという。例えば、ISDN環境で再生する場合には3階層のうち基本レイヤだけ、無線LANでは拡張レイヤの2階層まで、さらにADSLでは3階層すべて──というように、必要なレイヤを重ね合わせる仕組みだ。基本レイヤにはMPEG-4 Advanced Simple Profile、拡張レイヤにはMPEG-4 Fine Granularity Scalable(FGS)Profileを用いている。

 NTT Comが開発したシステムでは、端末内で圧縮したスケーラブル映像データを、ネットワーク上に設置する「スケラーブル変換サーバ」を通じて他の端末とやりとりする。事前に設定した品質で通信するだけでなく、回線速度の変動や端末の処理能力の変動に応じて適宜、品質を変更することも可能だという。

 端末側のソフトとしては、まずWindows XP用のソフトを開発した。スケーラブル映像の圧縮・復号化を行なうコーデックのほか、回線の状況や端末の性能をモニターしてサーバと制御信号をやりとりする機能などが含まれている。なお、PDAやFOMAなどの携帯端末にも対応するが、圧縮・復号化は端末内ではなくゲートウェイ側で行なう仕組みとなっており、携帯端末に標準搭載されているテレビ電話や動画機能で対応できるとしている。

 NTT Comでは今後、テレビ会議システムなどへの組み込みを見据えながら、システムの検証を進めていく予定だ。


回線環境に応じて、再生するレイヤを制御する

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.ntt.com/NEWS_RELEASE/2004NEWS/0003/0303.html


( 永沢 茂 )
2004/03/03 19:38

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