米Lindowsは4日、同社が新たに設置したP2Pサーバーを使ってLindowsOSをダウンロードした場合には、通常価格の約半額で購入できるサービスを米国内で開始した。ダウンロードの待ち時間もなくなり、FTPよりも速くダウンロードが完了できるという。
Lindowsによると、デジタルコンテンツを配布するためのネットワークコストが大きな固定費となっていたという。その設備の代わりにP2Pネットワークを利用すれば、帯域幅を確保するのに必要なコストを大幅削減できるだけでなく、サーバーやファイアウォール、ルータなどのホスティングインフラに対する設備投資が多くの場合は必要なくなる。Lindowsは同じ設備で、これまでは125人の同時接続しか提供できなかったサービスを、P2Pにするだけで1,000人以上に提供できるようになる。その利益を消費者に還元するため、通常49.95ドルで販売されているLindowsOSを25ドルで販売できるのだと説明している。
Lindowsが採用したP2Pネットワークとは、「BitTorrent」ベースのシステムだ。BitTorrentは欧米で人気のあるP2P技術で、特にその高速ダウンロードには定評がある。この技術では配布データを小さく切り刻んで番号を付け、分散ダウンロードした後に最終的につなぎ合わせて元のデータに復元する。LindowsOSの場合、500MBのファイルが約1,000個に分割され、それぞれ約500KBになるという。
Lindowsでは、BitTorrentのP2PシステムがLindowsOSの主要なダウンロード方法になることを期待している。このシステムを利用するにはWindows、Macintosh、Linuxに対応したフリーソフトをインストールする必要がある。
LindowsのMichael Robertson CEOは、「ほとんどのコンテンツ企業はP2Pを悪と思っているが、驚くべき商業的な利用方法もあるのだ」とコメントしている。
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■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.lindows.com/lindows_news_pressreleases_archives.php?id=111
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2004/03/05 12:36
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