総務省は、NTT東西が1月28日に認可申請した固定電話から携帯電話への通話サービスに関する活用業務についての意見募集結果を発表した。
NTT東西が申請した活用業務の内容は、携帯電話の冒頭に「0036(NTT東日本)」「0039(NTT西日本)」という事業者識別番号を付けて電話することで、携帯電話への通話料金をNTT東西側で設定できるというもの。総務省が開催した「料金設定の在り方に関する研究会」が2003年6月に発表した報告書で示された選択中継方式を導入すべきと結論に基づいている。
KDDIは今回の活用業務申請について「NTT東西が固定電話サービスのために構築してきた営業体制を新サービスに流用することは、他事業者にとって圧倒的な営業力を持つことになり、公正競争を阻害する一因になりうる」と指摘。電話などの請求書へ新サービスのパンフレット同封、マイライン経由の電話サービスやフレッツサービスとのバンドルサービスなどを禁止すべきとした。
ケーブル・アンド・ワイヤレス・アイディーシーはNTT東西が申請した新サービスについて「認可すべきでない」と否定。料金設定をNTT東西がエンド-エンドで行なう以上、ユーザーからの観点ではNTT東西による県間サービスにほかならず、「携帯電話の普及台数が固定電話を上回った現時点では、NTT東西の長距離進出という印象は否めない」とした。このため新サービスの提供には、NTT東西から独立した別会社が必要であると結論づけている。
ソフトバンクBBはNTT東西の申請について「料金設定権が携帯電話事業者からNTT東西に移っただけであるが、エンド-エンドでの料金設定を行なうことがエンド-エンドでのサービス提供と等価であり、その結果活用業務と解釈された」とコメント。今後、このような拡大解釈が県間伝送路の設置にまで及ばないような歯止めが必要であり、認可条件に「県間伝送路の構築は今後申請があった場合も活用業務として認めない」という一文を盛り込むべきとした。
ソフトバンクBBはさらに「活用業務とは、本来都道府県の区域で電気通信業務を営むという本来の義務を遂行した上での話」と前置いた上で「まずは都道府県内で十分な電気通信業務を最優先に行なうべき」と指摘。北海道ではNTT東西の光中継伝送路が十分整理されていないため、新規参入事業者がADSLを提供できないという具体例を挙げ、「光中継伝送路もNTT東西が設置すべき」とした。
関連情報
■URL
総務省 報道発表資料
http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/040305_5.html
関連記事:NTT東西、4月から固定発携帯着の通話サービス[ケータイWatch]
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/17366.html
( 甲斐祐樹 )
2004/03/05 18:40
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