独最高裁は、アダルトサイトなどで問題となっている、パソコンからユーザーの承諾なしに自動的に有料サイトにダイヤルアップする仕掛けについて、ユーザーは支払い義務がないとする判決を出していたことが明らかになった。
この訴訟は、原告(上告人)が通信サービス提供会社で、被告(被上告人)がその通信会社と契約を締結していた個人。Webサイトに独のダイヤルQ2にあたる“0190”または“0900”で始まる番号に自動的にダイヤルアップするように仕組まれていて、被告はそのWebサイトに2000年5月から8月にかけて知らない間に接続する結果になっていたという。被告の息子にあたる未成年が、被告の知らない間にネットサーフィンをし、その間に知らない間にダイヤルアップする仕組みに引っかかっていたという。その結果、請求金額は9,000ユーロ(約123万円)に上ったという。
原審では、ダイヤルアップすることをユーザーに知らしめる手段を怠っていたと認定され、支払い義務はないとして訴えを棄却する判決が出されていた。最高裁でも、上告理由が無く棄却されるべきとの判示がされたことになる。支払い義務がないとの認定が維持されたのが理由だ。
最高裁では、明示の意思表示による同意が全くないというものが特に大きな要因となったようだ。被告側にも、注意義務があるとの主張も原告からなされたが、そもそもダイヤルアップすることが全くわからない形でWebサイトが運営されていたことを考慮すると、注意義務は認められないとされたようだ。消費者保護の観点からは歓迎すべき判例が出たことになり、今後のWeb運営にも影響が出そうだ。
関連情報
■URL
ニュースリリース(独文)
http://juris.bundesgerichtshof.de/cgi-bin/rechtsprechung/document.py?Gericht=bgh&Art=pm&Datum=2004&Sort=3&client=10&anz=28&pos=1&nr=28520
( Gana Hiyoshi )
2004/03/10 14:34
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