ライブドアは16日、ターボリナックスをSRAから株式交換により子会社化すると発表した件についての記者会見を都内で行なった。会見では、TurbolinuxとLindowsの2つのブランドにより、2006年にはサーバー・クライアントOSの世界シェアの30%を獲得したいとする目標が発表された。
会見に出席したターボリナックス代表取締役社長の矢野広一氏からは、今回の子会社化による相乗効果と、今後のビジネス戦略についての説明が行なわれた。両社の相乗効果については、ライブドアとマーケティング・営業面での統合を行なうことによる販売展開を行なうことと、日本語化などの技術面を統合することによる開発の促進などが挙げられた。また、今後のビジネス戦略としては、デスクトップ市場向けには「Turbolinux 10 Desktop」と「Lindows」をダブルブランドで展開。アプライアンス市場向けには販売パートナーを通じて「Turbolinux Appliance Server」を市場投入。サーバー市場向けにはOS製品やWebアプリケーション事業に加えて、サポート、教育、コンサルティングなどをトータルで提供するとともに、アジア各国でのビジネス展開をなどを挙げた。
ライブドアのLindows OSプロダクトマネージャー板井清司氏によれば、LindowsとTurbolinuxの両ブランドについては、主にコンシューマ向けにはLindows、エンタープライズ向けにはTurbolinuxという分け方になるとしている。また、2003年10月から12月までの国内Linux OSにおける出荷本数ベースでのシェアは、LindowsとTurbolinuxを合計すると75.8%となり、国内のLinuxベンダーの最大手とになるという。今後の目標としては、現在はクライアントOSベースではすべてのLinuxを合計しても全世界の2.8%のシェアしかないが、2006年にはLindowsとTurbolinuxによりサーバー・クライアントOSの世界シェアの30%の獲得を目指していきたいと語った。
一方、これまでターボリナックスの親会社であったSRAからは、Turbolinuxが成果を上げているのは個人向けの市場であり、SRAの主なビジネス分野である企業向け市場とは合致していないため、今回の株式交換に至ったと発表されている。この点についてライブドアの堀江貴文代表取締役社長は、「あくまでも推測である」としながらも、SRAはTurbolinux以外にも各種のOSを企業向けに納入しており、一社だけを子会社として保有していることにはメリットがなかったのではないかと語った。また、今回は株式交換という形のためSRAもライブドアの株式を保有することとなるため、今後はさらにSRAとの協業によるビジネスも進めていきたいと述べた。
また、会見ではLindowsの新製品として「Lindows Smile」も紹介された。デスクトップ環境のデザインを一新し、CDブートモデルでもUSBメモリの利用により各種環境が保存できる新機能が追加されるという。発売時期については未定だが、近日中には同製品についてアナウンスする予定ということだ。
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握手を交わすライブドアの堀江社長(左)とターボリナックスの矢野社長(右)
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近日中の発売が公表された「Lindows Smile」のパッケージ
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関連情報
■URL
ニュースリリース
http://corp.livedoor.com/pressroom/pressrelease/content?id=278
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・ ライブドア、株式交換によってターボリナックスを完全子会社化(2004/03/15)
( 三柳英樹 )
2004/03/16 16:14
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