NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、ブログサービス「ブログ人(じん)」を3月30日より開始する。NTT Comが運営するOCNの会員は無料なほか、OCN会員以外も月額250円を追加することで利用可能。容量や機能を拡張した有料サービスも用意される。
● 4つのプラン、ナビゲーションサイトも用意
ブログ人は、米SixApartのブログツール「TypePad」をベースとしたブログサービスで、サービス名称は「BLOG」と「MAGAZINE」を掛け合わせて作られている。Amazon社の「アソシエイト・プログラム」との連携ツールが標準で用意されているのが特徴で、自分のブログでAmazonの書籍やCDなどを紹介、商品が購入された際にブログの作成者に手数料が支払われるアフィリエイトプログラムが取り入れられている。
機能面ではWebベースでの記事更新や編集機能、携帯電話などからメールで記事を投稿できるモブログ機能をサポート。トラックバックやコメント、RSS生成機能も搭載する。独自機能としては、トラックバック先のブログを、サービスの種類ごと「ブログ人」「ココログ人」などとアイコンで表示できる。なお、Movable Typeなどで作成したブログやアイコン表示未対応のブログなどは「○○人」と表示される。
ブログ人のナビゲーションサイトも用意される。「日本沈没地図」は、都道府県別にブログが設置され、トラックバックの数によって日本地図の色が変化するサイト。地図色は全部で7色用意され、トラックバックの少ない都道府県は色が海と同色に変化、まるで「沈没」したように見えるという。
ブログ人で利用できる機能はプランごとに異なり、ディスク容量30MBの「はじめの一歩」、50MBの「ホップ」、100MBの「ステップ」200MBの「ジャンプ」の4プランが用意される。「はじめの一歩」プランではWebでの投稿・編集、メールでの投稿といった基本機能が利用可能。「ホップ」プランは基本機能に加えてフォトアルバム機能、ログ管理機能が追加される。「ステップ」プランは「ホップ」プランにテンプレートのカスタマイズ機能、日時指定投稿などが追加されるほか、3つまでブログが作成可能。最上位プランの「ジャンプ」では、作成ブログ数が無制限となるほか、複数ユーザーによる管理機能も追加される。
月額料金は「はじめの一歩」が無料、「ホップ」が315円、「ステップ」が735円、「ジャンプ」が1260円(税込み)」。OCN会員以外も上記料金プラス月額250円を支払うことでブログ人を利用できるほか、OCNのメールアドレス1個、従量課金でのダイヤルアップ接続サービスも提供される。
サービス開始から4月30日はキャンペーン期間として、OCN会員は全プランとも無料で利用できる。また、有料プランは初回1カ月は無料で利用可能なため、5月以降利用するユーザーは最大2カ月無料になる。ただし、OCN以外の会員が利用する際の月額料金250円は無料キャンペーンの対象外。
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ブログ人、サービス概要
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ブログ人のナビゲーションサイト「日本沈没地図」
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● アフィリエイトを取り入れた“三方一両得”なサービス
NTT Comの小林洋子OCNサービス部長は「ここ数年熾烈を極めたブロードバンド競争の中、OCNは“品質”“サポート”“価格”にこだわることで400万会員を突破した」と前置いた上で、「接続サービスの値下げ競争は限界にきており、今後はサービスの付加価値を高めていく」という方針を語った。そのためにはOCN会員や固定の接続サービスに捉われないサービス展開が必要であり、ブログ人がOCN会員以外でも利用できるのもこの方針に基づいているという。
ブログ人については「ユーザーが何か楽しむという形から、ユーザーからの情報発信という方向への変化を期待している」とコメント。「ブログはひとことで言えば“かんたん”がキーワードだが、これが実は一番重要ではないか」との意見を示し、ビギナー層に広く使って欲しいという考えを示した。
ブログサービス全体の特性として小林氏は「整理されたシステム体系のため、検索エンジンにヒットしやすい」と説明。Amazonとの連携といったアフィリエイトシステムを導入することで、ECサービス全体の活性化を期待していると語った。NTT Comとしても通信販売やデパートなど多くの製品を持つ企業と提携、アフィリエイトのシステム提案やサーバー構築などを働きかけていくことで、「ユーザー、パートナー、NTT Comそれぞれにメリットがある“三方一両得”なサービスを提供していく」のが狙いだという。
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NTT Comの小林洋子OCNサービス部長
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ブログのビジネス的位置づけ
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● 利用規約は柔軟に、2年で40万ユーザー目標
利用者の目標については「初めてのサービスなのでよくはわからないが」と前置きした上で、「OCN会員の1割、40万人は2年間で達成できるのではないか」との考えを示した。ただし、ブログ自体がマーケットとして未成熟で、一部の先進的なユーザーが利用しているのが現状だと指摘、「2004年がブログ元年であり、2005年くらいには普及曲線が後半にさしかかるのではと期待している」とコメント。そのためにはサポートと商品力が決め手になるとした。
一部で取り沙汰されたブログの著作権問題について、OCNサービス部の河村明担当課長は「まさに今利用規約を作ろうとしている最中だが、細心の注意を払っており、“ああいったこと”にはならない”」とコメント。「利用規約はユーザーと社会の動きの流れに合わせて変更するなど、柔軟に対応していきたい」と語った。
今後の展開としては、アフィリエイトの提携先を拡大していくほか、スパムコメントの防止機能、ドメインマッピング機能などを盛り込む予定。機能面ではRSSリーダー機能を予定するほか、携帯電話との連動サービスを検討しているとした。また、NTT Comのオンラインストレージサービス「cocoa」との連動も検討しているという。
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ブログ人で作成されたブログ
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デザインテンプレートは、現段階で21種類程度用意されている
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■URL
ニュースリリース
http://www.ntt.com/release/2004NEWS/0003/0318_2.html
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( 甲斐祐樹 )
2004/03/18 20:06
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