住友電気工業、住友電工ネットワーク、日本電気(NEC)、NTTブロードバンドイニシアティブ(NTT-BB)の4社は23日、パケットロス回復技術を利用した動画配信試験サービスの結果を踏まえ、パケットロス回復技術は技術面とサービス面の双方において有効であるという検証結果を公表した。
4社による共同試験サービスは、テレビに接続するセットトップボックス(STB)を利用して、ADSLやFTTH回線経由で3Mbps~6Mbpsの動画配信を行なったもの。試験期間は2003年12月から2004年1月で、対象となったのは東京都内のBフレッツおよびフレッツ・ADSLの利用者300名。NTT-BBのバックボーン上にNECの配信サーバーを設置し、STBは住友電工ネットワークが開発した。
試験サービスでは、住友電工ネットワークが開発したFEC(Forward Error Correction)と呼ばれるパケットロス回復技術が用いられた。FECは、送信する動画データにあらかじめエラー訂正用のデータを付加することで、データの欠損(パケットロス)が発生した場合でも受信側でデータの修復が行なえるシステム。欠損したデータを再度サーバーから送信する従来の方式に比べて短時間の遅延でデータの修復が可能となり、マルチキャスト配信においてもデータ再送のシステムを用意する必要がないため低コストでの配信が可能になるとしている。
今回の試験サービスの検証では、FECを用いることで動画の品質が向上し、ユーザーのコンテンツ視聴時間が伸びることが確認できたとしている。この傾向はパケットロスが1%程度の環境でも見られ、パケットロスが10%程度という品質の低いネットワークにおいても、FEC技術を用いることでコンテンツ配信サービスが十分可能になるとしている。
この検証結果を踏まえて、試験サービスに参加した4社は今後、高品位映像配信システムの開発や、サービス提供などの展開を行なっていくとしている。
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■URL
ニュースリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0403/2301.html
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( 三柳英樹 )
2004/03/23 15:50
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