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見出しは著作物にはあたらない~東京地裁、読売新聞の訴えを棄却


 読売新聞東京本社が、記事の見出しをネット上で無断配信され著作権を侵害されたとして、ニュースリンク配信システムを運営するデジタルアライアンスに対して行なっていた訴訟について、東京地裁は24日、ニュース記事の見出しは著作物にあたらないとして、請求を棄却する判決を下した。読売新聞は控訴する方針。

 この訴訟は、デジタルアライアンスがサービスを行なっている「LINE TOPICS」について、読売新聞が著作権侵害にあたるとして使用差し止めと損害賠償を請求していたもの。LINE TOPICSは、最新ニュースの見出しをティッカー形式でWebサイトに自動的に配信・表示するシステム。見出しはYahoo!ニュースの該当ページにリンクされており、運営は見出しのティッカーの合間に挿入される広告収入によって成り立っている。

 読売新聞は、Yahoo!ニュースに記事を提供している1社で、LINE TOPICSでは記事の見出しが“一行ニュース”として配信されていると判断し、対価を支払うことなく電光掲示板で読売新聞の記事見出しを使用していることと同視できるとして、デジタルアライアンスに対してサービスの使用差し止めと損害賠償を請求していた。

 判決では、著作物とは思想または感情を創作的に表現したものとして、ごく短く、表現形式に制約があり、表現が平凡でありふれているなどの場合には、筆者の個性が表れておらず創作的な表現とはできないと指摘。読売新聞のWeb上での見出しについても、著作物には該当しないとして訴えを棄却した。

 読売新聞東京本社広報部では今回の判決について、「見出しは重要情報を瞬時に理解できるように創意工夫したもので、それ自体にも商品価値がある。無断使用のただ乗りビジネスを容認した判決で、承伏できないので控訴する」とコメントしている。


関連情報

URL
  YOMIURI ON-LINE(読売新聞)
  http://www.yomiuri.co.jp/
  LINE TOPICS(デジタルアライアンス)
  http://linetopics.d-a.co.jp/
  関連記事:読売新聞がティッカー配信会社を相手に損害賠償訴訟
  http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/1226/da.htm


( 三柳英樹 )
2004/03/25 15:51

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