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パワードコムとフュージョン、電話事業の統合で最終合意


パワードコムの白石智代表取締役社長(左)とフュージョンの角田忠久代表取締役社長(右)
 パワードコムとフュージョン・コミュニケーションズは25日、2社の電話事業を統合することで最終合意に至ったと発表した。パワードコムの電話事業部門を分割し、7月1日付けでフュージョンに統合する。最終的には電話サービスを一本化する予定だが、当面の間はパワードコムが展開してきた「東京電話」をフュージョンが引き継いで提供するかたちとなる。

 まずは統合後、東京電話の売りである市内3分8.4円(平日昼間)と同等水準の料金体系を、フュージョンの市内通話サービスにも導入することを検討する。県外通話が一律3分20円というフュージョンの強みとあわせて、市内・市外ともに競争力のあるビジネスを展開できるとしている。また、東京電話の既存加入者が関東圏以外へ移転する際には、フュージョンへの移行で対応できるようにする。

 2月末における2社のマイライン登録回線数を合計すると、市内でシェア4.9%、県内で6.4%、県外で8.1%、国際で7.5%になるという。今後2~3年の間は従来より展開してるこれら市内・市外の中継電話サービスが売上の7~8割を占め、収益の基盤になると見ている。ただし、全体としてトラフィックが減少傾向にあることから、「中継電話事業にさらにリソースをかけて、マイライン登録数を拡大することにまい進するつもりはない」(フュージョンの角田忠久代表取締役社長)。今後は加入者系のIP電話サービスに大半のリソースを投入するとしており、3年目以降は加入者IP電話による売上増を目指す考えだ。

 フュージョンが展開する加入者IP電話とは、光ファイバ上でIPによる高品質な通話サービスやIPファックスなどの付加機能を提供するもの。110番や119番にも対応するとしており、メタリック回線による既存の固定電話を完全に置き換えることが可能になるという。東京電力やNTT地域会社の光アクセス回線を借り上げるかたちで、主に法人顧客をターゲットに提供する予定だ。

 フュージョンでは統合にあわせて新たに104,027株を発行し、これをパワードコムが引き受ける。新生フュージョンの資本金は105億7,500万円となり、このうち54.27%を保有するパワードコムが筆頭株主となる。また、パワードコムの電話事業部門から150名程度がフュージョンに出向する。

 パワードコムは22日、ISP事業を同じく7月1日付けでドリーム・トレイン・インターネットに統合することを発表している。各事業をグループ会社に分割する一方で、パワードコム本体は法人向けのデータ通信サービスを中心に展開。同時に、各社サービスをユーザーがワンストップで利用できるような営業体制の構築など、パワードコムグループの中核会社として事業を推進していくとしている。


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URL
  ニュースリリース
  http://www.0038.net/press/nw040325.html

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( 永沢 茂 )
2004/03/25 19:12

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