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電子透かしを埋め込んだ画像が背後のプロジェクタにも映っているが、強度を高く設定していうため、背景部分に模様が入っているのがはっきりとわかる
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ブロードバンドフォーラムと、NTT東日本をはじめとする同フォーラムの所属会員企業11社は31日、電子透かし技術を使ったマーケティングツール「パ写WARP」のマーケティングトライアルを4月1日から9月30日まで実施すると発表した。透かしの埋め込まれた画像をカメラ付き携帯電話などで撮影することで、その画像に対応したWebサイトへ誘導する仕組みを提供する。
パ写WARPで使う電子透かし技術はもともとNTTの研究所で開発したもので、画像をフーリエ変換し、それぞれの周波数にノイズを埋め込むことで透かし情報を入れている。透かしの強度を上げると、目に見えるかたちで画像に模様などが生じてしまうが、10m以上の距離でも撮影できるのが特徴。また、2次元コードと異なり、画像のデザインを損なうことなく透かしを埋め込めるとしている。その反面、透かしが入っていることがユーザーにわからないため、パ写WARPのロゴを付けることになるという。紙だけでなく、テレビ映像や布などにも埋め込めるのも強みで、テレビであればVHS程度の画質で利用できるほか、Tシャツやネクタイ、エプロンなどにプリントした画像でも読み込めるとしている。
4月1日からはじまるトライアルでは、第一興商、ニッポン放送、ぐるなびなどがパ写WARPの利用を検討している。第一興商ではカラオケ機器のスクリーン画面に、ニッポン放送ではイベントのポスターやTシャツ、ノベルティグッズに透かしを埋め込み、それらを撮影することで連動したサイトに誘導する仕組みだ。携帯電話用の読み取りソフトはiアプリで提供するほか、その他のキャリアの端末では、撮影画像をメールに添付してパ写WARPのサーバーに送信することで連動するサイトのURLが取得できる。
なお、パ写WARPの電子透かしは約4.5×4.5cm以上、128×128ピクセル以上の画像で埋め込み可能。透かし埋め込み領域の面積が、撮影画像全体の40%以上あれば読み取ることができる。ただし、1月31日から3月31日まで行なった技術的なトライアルでは、透かしの強度が弱い場合は、携帯電話の機種によって読み取れないことが確認されているという。
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携帯電話に電子透かし入りの画像を表示し、これをPCのUSBカメラなどで撮影(左上)。ユーザーごとに個別Webページを表示するといった活用も考えられる
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NTT東日本法人営業本部ブロードバンドビジネス部の園田雅文担当部長。トライアルの成果をふまえ、今年後半には事業化したいという
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関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.ntt-east.co.jp/release/0403/040331a.html
ブロードバンドフォーラム
http://www.bbforum.jp/
パ写WARP
http://p-warp.jp/
関連記事:電子透かし技術を応用したカメラ付き携帯向けの広告サービス実験[ケータイWatch]
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/17341.html
( 永沢 茂 )
2004/03/31 18:54
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