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CRLとTAOが統合して「独立行政法人情報通信研究機構」が発足


 情報・通信技術の研究・開発に取り組んできた通信総合研究所(CRL)と、通信・放送機構(TAO)という2つの組織が4月1日に統合し、「独立行政法人情報通信研究機構(NICT)」が発足した。これを受けて7日、東京都内のホテルで発足記念式典が開かれ、挨拶に立った長尾真理事長が「ICT(Information & Communications Technology)のバリューチェーンを作る」というNICTのキャッチフレーズを紹介した。

 長尾理事長はまず、これまでのCRLでは主に基礎研究が中心であり、一方のTAOは実用化に向けた研究や大学・民間企業の支援を行なってきたと説明。それが今回、「CRLとTAOが有機的に統合し、ICTの研究・開発が基礎から応用、実用化の手前まで一貫する」という。NICTでは今後、1)日本発のICT社会の世界標準の開発、2)ICT社会の安全・安心の確立、3)10~20年後の技術の種を作る、長期的視点の先端的研究、4)新たなビジネスやサービスを生み出すための民間の支援──という4つの戦略的分野に積極的に取り組む方針だ。ICTのバリューチェーンとは、この戦略のもとで産学や海外の機関とも連携しながら、研究成果をビジネスや生活という次のステップににつなげていくことを表わしている。

 式典には、NTTの和田紀夫社長らも詰めかけ、祝辞を述べた。和田社長は、「閉ざされた世界での研究・開発ではなく、開かれた世界での研究・開発によってはじめて、グローバルな競争力を持つ技術が生まれる」として、産業界などとの連携に期待を寄せた。


NICTの長尾真理事長 NTTの和田紀夫社長

関連情報

URL
  独立行政法人情報通信研究機構(NICT)
  http://www.nict.go.jp/overview/index-J.html


( 永沢 茂 )
2004/04/08 11:50

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