国際レコード産業連盟(IFPI)は7日、2003年の世界音楽産業の売上結果に関する調査結果を発表した。調査では、2003年に世界の音楽産業の売上が全体で7.6%減少したことがわかる。
音楽の売上が減少するのはこれで4年連続となり、同連盟ではその要因として違法ファイル交換や物理的な海賊版による著作権侵害問題を挙げた。同連盟はこれを裏付ける理由として、2002年から2003年に発表された5つの調査会社による調査報告を挙げている。これらの調査では、すべて違法なファイル交換やダウンロードが音楽産業の売上を圧迫している、と結論付けているものだ。
減少傾向は、ほぼすべての主要市場に波及しており、特に西ヨーロッパでの影響が顕著である。例えばドイツでは19%減少、デンマーク、フランス、スウェーデン、ベルギー、ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スイスにおいても、それぞれ2桁の減少を記録した。
米国市場では若干良い傾向がみられた。年末にかけての楽曲リリーススケジュールの影響もあり、前半の売上急減を後半の売上が助けた格好になり、最終的に年間売上減少率は前半の12%から好転して6%に止まった。さらに世界的に音楽DVDの売上が伸びている。世界中の音楽関連売上の中で、DVDが占める割合は2002年の3.1%から5.7%へと増加している。また、売上は減少しているとはいえ、CDの販売数そのものは増加傾向にあり、例えば米国では昨年の対前年比3.4%増から5%増へと、英国では5.6%増から6.6%増へと増加している。
今回の調査結果では、デジタルフォーマットで提供される音楽売上は含まれていない。米国では、音楽ダウンロード販売が2003年の後半に1,920万ダウンロードを記録したほか、ヨーロッパでも30社による合法的なサービスが計30万曲を販売し、カナダ、オーストラリア、ラテンアメリカ、アジア太平洋地域でもダウンロードサービスが営業開始している。
2004年3月には、AppleのiTunesが5,000万ダウンロードを記録、さらにカナダのPuretracksは2月に100万ダウンロードを記録している。ヨーロッパのOD2も4月には100万ダウンロードを記録したと発表している。こうしたことから、同連盟では来年の調査からデジタルフォーマットで提供される音楽の売上も含めることにした、と発表している。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.ifpi.org/site-content/statistics/worldsales.html
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2004/04/08 12:41
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