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中央大の大橋教授ら、「Webサービスイニシアティブ」設立


中央大学総合政策学部長の大橋正和教授
 中央大学総合政策学部長の大橋正和教授ら18名は27日、Webサービスを用いたビジネスモデルを研究する「Webサービスイニシアティブ」(以下、WSI)を設立した。事務局は中央大学研究開発機構内に設置する。3年間をめどに活動し、Webサービスのガイドラインなどを策定するという。同日、設立総会も催され、大橋教授が会長に就任。当初の参加企業は100社前後になるとしている。

 大橋会長の言う“Webサービス”とは、「いわゆるポータルサイトやWebサーバーを指すのではなく、XMLでデータやアプリケーションを連携させ、インターネットを活用するサービス」を指す。WSIは、ビジネスモデルを検討する「利活用モデル部会」をメインに、ユーザーが利用する観点から技術の実装を図る「技術部会」、情報通信インフラなどを検討する「基盤部会」といった部会で構成。最高顧問にはイトーヨーカドー代表取締役会長の鈴木敏文最高経営責任者、副会長には東京電力の勝俣恒久取締役社長が就任した。


最高顧問に就任したイトーヨーカドー代表取締役会長の鈴木敏文最高経営責任者 副会長には東京電力の勝俣恒久取締役社長が就任

 WSIでは、活動目標を1年ごとに設定。1年目はSOAP(Simple Object Access Protocol)/XMLによる「データ連携」を目指す。第2段階として企業や企業グループ、電子政府の内部ネットワークでのSOAP/XMLによる「アプリケーションの連携」を2年目に達成。3年目には、アプリケーションモジュールのネットワーク上での自動連携・実行する「ネット連携」の達成を目標に掲げた。

 しかし、現実の“Webサービス”そのものは、「国内ではあまり普及していない」という。その一方で、“Webサービス”導入のターゲットとする電子政府の分野は「世界一の規模」と分析。「e-Japan計画など政府の意向もあり、2年目末には、国内の“Webサービス”普及状況を世界のトップに押し上げたい」と意気込みを語った。


「異なるプログラム言語で動作するPCが連携するのは、言うなれば自動翻訳機のようなもので、すごい技術だ」と麻生太郎総務大臣
 具体的な活動スケジュールは、2004年度第2四半期から利活用モデル部会に「電子政府・電子自治体分科会」「ビジネス分科会」「分散協調分科会」を設置。北海道や北九州などのエリアで、Webサービスを用いた実証実験を行なう。また、第3四半期には講演会やシンポジウム、第4四半期には国際ワークショップを開催し、Webサービスについての認知度を高めていくという。また、W3Cなど海外の標準化団体とも協力を進めていくとしている。

 設立総会では、麻生太郎総務大臣が登壇。「中央大学にそこまでの技術があるのか」と冗談を交えつつ、「異なるプログラム言語で動作するPCが連携するのは、言うなれば自動翻訳機のようなもので、すごい技術だ」とコメントした。自治体の電子化については、「『ワンストップサービス』『シングルウィンドウ』といったキーワードが並ぶ。ただし、“言うは易く行なうは難し”で実現は簡単ではない」と分析。「こうした技術が実現すれば、日本は次世代のインターネット技術でリードできる。総務省としては省を挙げて応援する」と語った。


関連情報

URL
  中央大学研究開発機構
  http://www2.chuo-u.ac.jp/kikoh/
  総務省
  http://www.soumu.go.jp/


( 鷹木 創 )
2004/04/27 20:37

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