米Microsoftと米IronPortは5日、IronPortが運営している合法メール送信者の認定サービス「Bonded Sender Program」をMSNとMSN Hotmailプラットフォームで数カ月間試験運用した結果、合法的なメールが誤って迷惑メールと認定されないようにするための方法として有効だったと発表した。
大量のメールを送受信するMSNプラットフォームでMicrosoftのような大企業がBonded Sender Programの有効性を認定したことで、Bonded Sender Programは高い評価を受けることになる。すでに約2万8,000組織が採用しているこのサービスに、他社が動きを示すことも考えられる状況になってきた。
これまでの迷惑メールフィルタリング技術では、正当なメールの一部が誤判定されてしまい、受信者に届かないという重大な問題がどうしても避けられず、Microsoftをはじめ多くの企業が解決のための技術開発を行なっている。これについてMicrosoftでは以前から、送信者の身元確認をすることと、その送信者の“評判”を利用することが次世代のメールシステムの布石となると主張してきた。つまり、SMTPの匿名性こそがメールシステムの混乱を招いているということである。
こうした問題に対してBonded Sender Programが提供している方法は、Bonded Sender Programに参加しているISPや企業などのIPアドレスを認定し、その情報を第三者であるプライバシー認定機関TRUSTeの監督のもとで受信側のISPなどが利用できるようにすることで、受信したメールが少なくとも合法的なSMTPサーバーから送られたものかどうかを判定しようという考えだ。受信者は、メール送信サーバーのIPアドレスをBonded Sender Programが提供しているIPアドレスと比べることによって、メールの最終的な誤判定率を減らすことができる。
MicrosoftはBonded Sender Programに限らず、迷惑メール撲滅のために今後も複数の技術をMSNとMSN Hotmailプラットフォームで試験していくことを明らかにしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.microsoft.com/presspass/press/2004/may04/05-05IronportPR.asp
IronPort(英文)
http://www.ironport.com/
Bonded Sender Program
http://www.bondedsender.com/
関連記事:スパムから罰金を徴収するプログラム~米IronPortが発表
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/0626/iron.htm
関連記事:米Microsoft、迷惑メール対策のための技術仕様を提案
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/02/25/2206.html
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2004/05/06 11:49
- ページの先頭へ-
|