シマンテックは6日、報道関係者向けの説明会を開催し、Symantec Security Responseマネージャ星澤裕二氏がゴールデンウィーク中に感染を拡げたウイルス「Sasser」に関しての説明を行なった。
● ローカルIPアドレスを狙わないことが企業感染が少ない要因と考えられる
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Symantec Security Responseマネージャ星澤裕二氏
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星澤氏は、まず6日18時時点でのSasserの感染数を報告した。まずオリジナルとなる「Sasser.A」の感染数は459件(国内2件)、「Sasser.B」は12,041件(同112件)、「Sasser.C」が172件(同5件)、最新の「Sasser.D」が81件(同0件)だった。この報告数は、同社製品利用者や企業ユーザーからの報告数を基にしたものであり、“感染者”の数ではない。
この報告ではSasser.Bが圧倒的に感染を拡げており、ほとんどが企業ユーザーではなく、コンシューマユーザーからの報告だという。その要因として同氏は、「Sasserが感染後、自身の感染拡大を図る際に送信するIPアドレスから、ローカルIPアドレスを除外している点が大きい」と指摘している。ローカルIPアドレスを除外していることから、一般的にDHCPによりローカルIPアドレスを付与している企業内PCの感染例が少なく、グローバルIPアドレスが付与されていることの多い一般家庭ユーザーのPCが感染しているケースが多いのだと分析した。
● Sasser.Bが感染拡大しているのは、「たまたま」の要因が強い
また、現時点で存在する亜種4種類のうち「Sasser.B」が最も感染を拡げている要因については、「感染拡大の要因には、初期感染数などさまざまな要因が多いが、今回のケースでは“たまたま”だった可能性が高いのではないか」と推測した。
また、Sasser.Aが感染時にアラートを表示し、1分後にアラートを表示する件に関しては「当社のラボで検証したところ、出ないケースも多かった。一様に出るとは言えない」とコメント。アラートが出なくても感染しているケースがあることから、「アラートが出ていないからと言って、安心してはいけないだろう」と警告した。
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Sasserの世界における感染状況。「Sasser.B」が最も多く感染を拡げているのがわかる
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Sasserの国内における感染状況。海外と同様に「Sasser.B」の感染数が多いが、Blasterほどではない
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● Sasser.Cに感染するとCPU負荷が高くなり、ほとんど使用不可能な状態に
次に、オリジナルの「Sasser.A」と亜種「Sasser.C」や「Sasser.D」の違いを説明。Sasser.Cの特徴として、スレッドを1,024個作成する点を挙げた。オリジナルは128個しか作成しないのと比較して、星澤氏は「通常のPCであれば、スレッドが1,024個も作成されたらCPU負荷が高くなり、ほとんど使用できない状態になるだろう」と推測している。
また、Sasser.Dは、送信前にPCの起動確認のためにPingを送信する点と、ポートにTCP9995番ポートを利用する点が特徴だという。感染対象のPCが起動しているかどうかを確認するためにPingを送信するため、回線のトラフィック過多の状態となり、ネットワークが混雑するケースもあるという。また、オリジナルのTCP9996番ポートと異なるTCP9995番ポートを利用するのは、企業等のファイアウォールによるフィルタリングを避けるためだと解説した。
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Sasser出現前後のTCP445番ポートのトラフィック推移。増加しているのがわかる
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Sasser感染数の時間推移。Blasterよりも、時間単位では多く感染していることがわかる
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● すでに発見されていたexploitコードを流用、もう1種類を悪用する可能性も
また星澤氏は、Sasserがリモートシェルを起動するための攻撃コードに注目。「houseofdabus」という攻撃コードは、4月末に発見されたexploit(攻撃)コードを流用したものだと指摘した。
6日現在、「MS04-011」に含まれる脆弱性のうち、「PCTの脆弱性」と「LSASSの脆弱性」を狙った2種類の攻撃コードが公開されているが、「なぜLSASSの脆弱性を狙った攻撃コードを流用したのか?」という点について同氏は、「恐らく、PCTの脆弱性よりもLSASSの脆弱性を狙った場合の方が対象が多いからだろう。流用する難しさはあまり変わらないのではないだろうか」とコメント。すでに公開されているもう1種類の攻撃コードを悪用したウイルスが出現する可能性も示唆した。
関連情報
■URL
シマンテック
http://www.symantec.co.jp/
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( 大津 心 )
2004/05/06 19:44
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