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著作権使用料CD減少もDVDが大幅増、Winny作者逮捕は府警を支持〜JASRAC事業報告


JASRACの2003年度事業報告を行なう加藤衛常務理事
 日本音楽著作権協会(JASRAC)は19日、2003年度の事業報告と定例記者会見を行なった。2003年度の音楽著作権使用料の徴収額は1,094億7,000万円で、前年度に比べて3.2%の増加。最も大きな割合を占めるCDの使用料徴収額は5年連続で減少したものの、DVDの大幅な増加や着信メロディなどのインタラクティブ配信の使用料の伸びにより、全体としては過去最高の額となった。また、会見では京都府警がWinnyの作者を著作権法違反ほう助の容疑で逮捕した件について、「よくやっていただいた」として京都府警の捜査を支持する見解を示した。

 2003年度の使用料徴収額を分野別に見ると、CDが含まれる「オーディオディスク」分野の徴収額は282億7,625万円で、前年度比では8.4%の減少。CDの売り上げ不振などもあり、この分野は減少が5年間続いている。

 一方、DVDが含まれる「ビデオグラム」分野の徴収額は137億1,586万円で、前年度比35.4%の増加となり、全体としては、CDの売り上げ減少分をDVDの売り上げ増加分がカバーした形となっている。

 着信メロディなどの「インタラクティブ配信」分野の徴収額は82億3,137万円で、前年度比7.3%の増加。ここ数年続いてきた大幅な増加は落ち着いたものの、今後は携帯電話への動画配信などの収入が見込まれるため、この分野はさらに増加する可能性があるとしている。

 2003年度の活動としては、中国の著作権管理団体MCSCとの間で録音権分野についての相互管理契約を締結したほか、利用手続きのオンライン化システムの構築を進めていることを紹介した。利用手続きのオンライン化については、今年度中には演奏会、録音、映像、出版といった分野について、オンラインでの利用許諾手続きが行なえるようになる見通し。


 また、ネットワーク上の著作権管理への取り組みとして、全国の大学管理下のネットワークでの違法音楽ファイル交換への警告や、プロバイダ責任制限法に基づいてISPの個人Webページなどで違法に公開されている音楽ファイルの送信防止請求を行なったことなどを明らかにした。

 JASRACでは、違法な音楽ファイルの公開を検知するためのシステム開発を進めており、実際に違法と思われる音楽ファイルを発見した場合には、Webページの責任者やISPに対してメールにより警告する活動を行なっている。2003年度では、こうしたファイルは56,195件にのぼり、そのうち52,929件については削除されたとしている。一方、削除されていないファイルについては、Webページの所有者に連絡がつかないといった場合が多いということだが、確信犯的に削除を拒否しているようなケースについては断固とした処置を取るとしている。

 質疑応答では、京都府警がファイル交換ソフトWinnyの作者を著作権法違反ほう助の疑いで逮捕した件についても言及した。まず、今回の件は先に逮捕・立件されたWinnyの利用者の事件についてのほう助の容疑であり、ソフトウェアそのものが犯罪であるといった認識は無いという認識を示した。ただし、著作権侵害をほう助する行為をJASRACとしては容認することはできず、京都府警がWinnyの作者を逮捕した件については「よくやっていただいた」(加藤衛JASRAC常務理事)として、京都府警の捜査をJASRACとして支持するとの見解を公表した。また、ファイル交換ソフトによるCDなどへの売り上げへの影響についても、規模については議論の余地があるが、確実に影響があるとの認識を示した。


関連情報

URL
  日本音楽著作権協会(JASRAC)
  http://www.jasrac.or.jp/


( 三柳英樹 )
2004/05/19 18:00

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