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マイクロソフトの知的財産戦略はクロスライセンス契約中心へ


米Microsoft知的財産担当バイスプレジデント兼副ゼネラルカウンセルMarshall Phelps氏
 マイクロソフトは21日、プレス向け説明会を開催し、同社の知的財産(IP)戦略に関する最新情報を示した。米Microsoft知的財産担当バイスプレジデント兼副ゼネラルカウンセルのMarshall Phelps氏が説明を行なった。

 マイクロソフトは現在、3,500件を超える米国特許を所有しており、7,000件が申請中だという。Phelps氏は、「特許数はIBMと比較すると少ないが、マイクロソフトでは特許のほとんどがOS関連に集中しているためだ。逆に言うと、OSだけでこれだけ持っているのは多いだろう」と語っている。

 また、マイクロソフトは2003年12月3日に同社の正式なIPポリシーを発表した。この新方針によって、同社は商用的にバラエティに富んだライセンス形態を多く発表していくのだという。また、ライセンスの形態を従来より同社が行なっていたNAP(Non-Assertion of Patents:特許権非主張条項)からクロスライセンス契約へ転換していくという。

 クロスライセンスとは、特許の権利者がそれぞれの所有する特許を相互に許諾する契約。この契約によって、両者間の権利関係の制約が緩和され、製品開発しやすくなる。マイクロソフトではこの方針により、Cisco、IBM、HP、SGI、Xerox、Siemens、富士通とすでにクロスライセンス契約を締結した。このような施策の背景をPhelps氏は、「IBMは、すでに何千もの企業とクロスライセンス契約を締結している。マイクロソフトもそのような姿勢に追いつき、さらに毎年数千の特許を申請していくつもりだ」と説明している。

 日本独自のIP戦略は、主に5点。1点目は、日本独自の研究開発を進め特許申請を実施する。2点目は、大学との連携強化。3点目は、標準化団体への参加強化。4点目が、「IPは本当に日本の発展に繋がっているか?」についての研究。5点目が、IP政策に対する意見交換だ。

 最後にPhelps氏は、マイクロソフトは今後も「顧客中心主義」と「ビジネスのオープン化」を推進していくと説明。クロスライセンスにはソースコードも含まれるほか、オープンソースコミュニティとの協力も今後一層強化していくと語った。


関連情報

URL
  マイクロソフト
  http://www.microsoft.com/japan/


( 大津 心 )
2004/05/21 16:00

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