トレンドマイクロは2日、サポートセンターへの報告件数をもとに作成した2004年5月度の「ウイルス感染被害マンスリーレポート」を発表した。
5月の報告件数は7,199件となり、4月度の6,560件から約10%増加した。3月の5,890件と比較すると約22%増加しており、3カ月連続で前月比10%以上の増加となった。また、Netskyも693件(前月1,222件)で3カ月連続1位となっている。
2位以下の被害数は、2位がAgobotで419件(前月333件)、3位がBytever.Aで282件(同254件)、4位がSasserで256件(新種)、5位がIstbarで229件(同41件)となった。5月は、Netskyが前月比で半分程度まで減少したが、2位以下のウイルスが増加しているほか、新種ウイルスの発生などにより、全体的には増加したと推測される。
トレンドマイクロのウイルス解析者は、Netskyについて、「3月から多数の亜種が連続して発見されたが、5月に入ってからは登場がぴたりと止り、1種類のみしか発見されていない。流行も沈静化してきており、このまま新亜種が登場しなければ、確実に収束するだろう」と分析している。
また、日本のゴールデンウィーク中に流行したSasserが、国内ではほとんど感染が見られなかった理由を「Sasserのプログラムが日本語版のWindows 2000ファミリーに侵入できなかったのがポイントだ」と指摘している。また、侵入可能なWindows XPはクライアントOSのため、ゴールデンウィーク中で稼働していなかったことも理由の1つに挙げた。
そのほかには、トロイの木馬型の不正プログラムによる被害が継続的に報告されていると警告。日本では特にアダルトサイト等で不正に配布されているトロイの木馬を誤ってインストールする被害が少なくないという。このことから、怪しいWebサイトを閲覧するときには、Internet Explorerのセキュリティレベルを“高”に設定するように推奨している。
関連情報
■URL
トレンドマイクロ
http://www.trendmicro.co.jp/
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( 大津 心 )
2004/06/02 12:48
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