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NTT東西のIP電話事業拡大に通信各社が懸念〜総務省のパブリックコメント


 総務省は23日、NTT東西が認可申請中の「集合住宅向けIP電話サービス」について募集していたパブリックコメントの結果を発表した。通信事業者11社が意見を提出しており、KDDIやケイ・オプティコム、ケーブル・アンド・ワイヤレス・アイディーシーが公正な競争に影響があるとして不認可とすべきとの意見を示したほか、イー・アクセスやソフトバンクBB、日本テレコムは認可にあたって十分な検討をするよう総務省に求めている。

 NTT東西が認可を申請しているのは、Bフレッツ・マンションタイプを利用するユーザーを対象に、NTT東西が8月にも開始を予定している「0AB〜J」番号を利用したIP電話サービス。同サービスから発信する際の料金を、他事業者のサービスを使用することになる県間や国際通話なども含めてNTT東西側でエンド−エンドで設定するために、NTT東西が4月に総務大臣に対して活用業務の認可申請を行なっていた。

 これに対して総務省では、既存の加入者電話やISDNの契約で得た加入者情報で営業活動を行なわないことなどの条件を付けることで「電気通信事業の公正な競争の確保に支障を及ぼすおそれがない」と判断。認可する方向を示していた。なお、同様のサービスとしてNTT東西ではすでに「法人向けIP電話サービス」を2003年10月に開始している。

 パブリックコメントでは、「ユーザーから見て既存の加入者電話サービスと全く違いのない、また、地域・長距離の区分のないIP電話サービスを拡大していくことは、NTT東西が実質的に全国通信サービス会社になることを意味し、NTT地域・長距離会社に再編した趣旨とも大きく矛盾する」(ケイ・オプティコム)、「NTT東西が電話サービス市場における市場支配力をIP電話においても行使する危険性をはらんでいる」(ソフトバンクBB)など、NTT東西によるIP電話サービスの拡大を懸念し、申請の不認可またはさらなる検討を求める意見が寄せられた。

 また、集合住宅向けIP電話サービスはBフレッツを端末回線として利用することから、「利用者がサービス提供事業者を選択する際には、本件サービスとインターネットアクセスサービスとをセットで捉えて選択する可能性が高い」(認可申請に対する総務省の考え方)。既存の加入者電話や050番号のIP電話市場への影響だけでなく、「IP電話サービスとあわせて提供されるインターネット接続回線サービスのシェアにも影響を及ぼす」(KDDI)として、隣接するサービスの市場への影響も十分に検討する必要があるとの意見も目立った。

 「今後のIP電話サービスは、お客様がインターネットアクセス事業者を決める際の重要要因となることから、固定電話市場において圧倒的なブランド力、顧客からの信頼感を有しているNTT東西がIP電話サービスを開始すれば、インターネットアクセスサービス市場の競争においても圧倒的に有利な立場になる」(ケイ・オプティコム)という指摘や、「(集合住宅向けIP電話サービスと)インターネットアクセスサービスとのバンドルは認可条件において禁止するか、他事業者がバンドルできるようにサービス自体をアンバンドルすることを認可条件として義務付けるべき」(イー・アクセス)との意見が寄せられている。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/040623_2.html

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( 永沢 茂 )
2004/06/23 18:41

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