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「お茶の間留学」のレッスン画面
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NOVA、ギンガネット、東京電力の3社は24日、東京電力のFTTHサービス「TEPCOひかり」を利用した語学レッスンサービス「お茶の間留学」について、6月16日からサービスを開始した都内で記者説明会を開催した。
FTTHサービスを利用したNOVAの「お茶の間留学」は、すでに関西エリアではケイ・オプティコムとの業務提携により開始されているが、関東エリアでは今回の東京電力との業務提携によるサービスが初となる。NOVAではこれまで、ISDN回線を利用した128kbpsでのサービスを提供してきたが、FTTHの利用により768kbpsでの双方向テレビ電話による語学レッスンサービスを提供する。
NOVAでは、1993年に「お茶の間留学」の開発に着手し、1994年にはすでに光ファイバを用いた語学レッスンサービスの実験を行なっており、その時点から家庭に光ファイバが引き込まれる時代を想定して、サービスの構築を進めてきたという。
デモンストレーションでは、大阪にあるNOVAのコンテンツセンターと東京を結び、実際に英会話のレッスンが行なわれた。FTTHにより768kbpsでの双方向通信が可能になったことで、画質は大幅に向上しており、遅延もほとんど感じられない。これまではISDNによる128kbpsのサービスを提供してきたが、ISDNの場合にはインターネット経由ではなく直接接続する形を取っているため、128kbpsという一定品質の回線速度が保証されるため、サービスも可能だったという。ADSLでは回線品質にばらつきがあることや、上り速度が十分でないためにサービスの提供を見送ってきたが、FTTHであれば十分な品質でサービスが提供できるとして、今回のサービス開始に至ったとしている。
サービスに用いるテレビ電話装置「WarpGate 503 dual」は、プロコトルにH.323を利用し、CIF(352×288ドット)の画面サイズで毎秒30フレームの動画を最大768kbpsで送受信する。UPnPに対応しており、対応ルータであれば設定の必要はない。テレビ電話の通信帯域については要望があればさらに向上させることも検討しているが、現時点でも語学レッスンに十分利用できる品質だと考えているという。
テレビ電話のシステムを開発してきたギンガネットによれば、特に音声の品質を保つことに重点を置いて開発を進めてきたという。語学レッスンという用途の特性上、たとえ0.1秒でも音声が途切れてしまうと、サービスとしては不都合を生じる可能性があるという、極めて高い品質が要求されるためだ。逆に、語学レッスンにも利用できる品質を達成したことで、テレビ会議など他のほとんどの用途でも利用できる機器が開発できたという。ギンガネットでは現在、個人用テレビ電話サービス「ギンガネット電話」を提供しているほか、企業や官公庁などにもテレビ会議システムを提供している。
説明会ではこのほか、現在サービスに利用しているテレビ電話装置「WarpGate 503 dual」を用いて、MPEG-2によるストリーミング配信のデモンストレーションも行なわれた。機器のスペックとしては、640×480ドット、6MbpsのMPEG-2によるストリーミング再生が可能ということで、これを利用したビデオオンデマンドサービスについても開発を進めているという。
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サービスに用いられるテレビ電話装置「WarpGate 503 dual」
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関連情報
■URL
NOVA
http://www.nova.ne.jp/
TEPCOひかり
http://www.tepco.ne.jp/
ギンガネット
http://www.ginganet.co.jp/
関連記事:NOVAと東京電力、自宅での英会話レッスン「お茶の間留学」で業務提携[BroadBand Watch]
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/5307.html
( 三柳英樹 )
2004/06/24 15:31
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