VoIP推進協議会は28日、VoIP機器におけるサービス機能の相互接続試験結果を発表した。シスコシステムズ、ソフトフロント、NEC、富士通、ヤマハなど13社18機種について、発信者番号表示や保留・転送、NAT越えなどの項目について試験を実施した。
試験では、基本的に各機種間で総当たりの試験を行ない、ワーキンググループが作成したガイドラインの試験項目すべてが正常に動作した場合を成功とみなしている。これによると、10社15機種を対象とした発信者番号表示の試験では、96%の組み合わせで相手のディスプレイに電話番号を正常に通知することに成功。一方、「184」を先頭に加えることで非通知に成功したのは94%だった。
保留と転送の試験は9社11機種が対象となった。まず、着信した電話をいったん保留し、保留を解除した後に正常に通話できるかを確認する試験では、93%で成功。保留後に別の電話機に転送できるかの試験では、成功率は33%に止まった。
ローカルIPアドレスを持つVoIP端末でもユニークなIPアドレスを持って相手先端末と通話できるかを確認するNAT越えの試験では、9社12機種の組み合わせのうち、成功したのは75%だった。また、異なるベンダーのSIPサーバーにそれぞれ接続されているVoIP端末が正常に通話できるかを確認するサーバー間接続では、9社13機種で試験が行なわれ、成功率は30%に止まった。
VoIP推進協議会によると、2003年度の相互接続試験でも実施された項目については「各社での実装の成熟度が進み高い成功率を得ることができた」としている。一方、今年度初めて実施した保留・転送やサーバー間接続については、完全に相互接続がNGになる組み合わせは少ないものの、ガイドラインのすべての試験項目で成功したものの割合が低かったとして、各ベンダーにおいては今回の試験結果について「開発へのフィードバックを行ない、より相互接続性の高い製品を今後リリースしていくことが期待される」としている。
関連情報
■URL
VoIP推進協議会
http://www.telesa.or.jp/019kyougikai/html/voip/
( 永沢 茂 )
2004/06/28 14:35
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