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ネット上のポルノ規制は違憲〜米最高裁判決


 米最高裁は29日(米国時間)、児童オンライン保護法(Child Online Protection Act:COPA)が表現の自由を認めた憲法に違反し、無効であるとの判決を下した。5対4という僅差での判決であり、最高裁をも二分したインターネット上の表現の自由に関する論争は、インターネット上の自由が守られる形で決着した。

 今回の訴訟は、原告(上告人)がアメリカ自由人権協会(American Civil Liberties Union:ACLU)などが司法長官(アシュフォード)を相手取って起こしていた裁判。下級審ではしばしばCOPAを容認する判決が出ていたが、それでは決着せず、下級裁判所と最高裁との間で繰り返しやり取りされるという異例の訴訟手続きが繰り返され、最高裁は、フィラデルフィア控訴裁判所(高等裁判所に該当)に対して詳細な分析を要求する決定を下していた。

 1998年に制定されたCOPAは、「未成年者にとって有害」と考えられるような性描写を含むサイトを規制することを目的としており、違反者には罰金(一日最高で5万ドル)、懲役(最長6カ月)等の刑が科されることになっている。ただし、今回の訴訟が係争中の期間は、適用が留保されていた。法が制定されると、クレジットカードなどでの個人特定の義務付け、違反者には刑罰を下すことが可能とされていた。しかし、最高裁は、これらのすべてが無効であると判示した。

 法が適用可能という理論は、各州法などで見られるようなポルノ雑誌の禁止法だ。米国ではほとんどの州で、駅売店などでのポルノ雑誌の販売方法が厳しく規制されている。しかし、控訴裁判所は2回にわたって同法は言論の自由を保障した米国合衆国憲法修正第1条に反するとの判示をしていた。

 米国では、議会が、児童ポルノ防止法(CPPA:Child Pornography Prevention Act)および通信品位法(Communications Decency Act :CDA)の2つの法律を制定し、ネット上のポルノに対する規制拡大を狙ったが、これまでにも最高裁によって骨抜きにされた過去がある。

 今回の判決によって、ネット上の規制を行なおうとする勢力の勢いがそがれることが予想される。米国での最高裁判決は、先進国における動きにも少なからず影響が出てくることから、今後は、法律ではなく、道徳、教育、啓蒙といった形での児童保護を強化する動きが出てきそうだ。


URL
  米最高裁資料(英文、PDF)
  http://www.supremecourtus.gov/opinions/03pdf/03-218.pdf


( Gana Hiyoshi )
2004/06/30 12:49

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