ビジネスソフトウェアアライアンス(BSA)は7日、「第1回世界ソフトウェア違法コピー調査」の結果を発表した。日本におけるPCソフトの違法コピー率は29%で、世界で7番目に低い結果となった。しかし、損害額では16億3,300万ドル(約1,800億円)でワースト5に入った。
同調査はBSAの委託により米IDCが実施したもので、世界各国における2003年1月から12月までのPCソフトの違法コピー状況がとりまとめられている。BSAではこれまでビジネスアプリケーションのみを対象に同様の調査を行なっていたが、今回からはOSやゲームを含むすべてのPCソフト市場が調査対象となった。IDCが86カ国におけるPCとソフトの出荷数をもとに違法コピー率と損害額を算出した結果、2003年に全世界のPCにインストールされたソフトの総額は800億ドルで、そのうち正規に購入されたものは510億ドルだった。全世界の違法コピー率は36%になる。
国別に見ると、違法コピー率が最も高かったのは中国とベトナムで、92%に達した。以下、ウクライナが91%、インドネシアが88%、ロシアとジンバブエが87%、アルジェリアとナイジェリアが84%、パキスタンとパラグアイが83%となっている。
逆に違法コピー率が低いのは、米国の22%、ニュージーランドの23%、デンマークの26%、スウェーデンとオーストリアの27%、日本、英国、ベルギーの29%、ドイツの30%、スイスの31%となっている。
違法コピーによる損害額のワースト10は、米国の64億9,600万ドル、中国の38億2,300万ドル、フランスの23億1,100万ドル、ドイツの18億9,900万ドル、日本の16億3,300万ドル、イギリスの16億100万ドル、イタリアの11億2,700万ドル、ロシアの11億400万ドル、カナダの7億3,600万ドル、オランダの5億7,700万ドルとなっている。
BSA日本事務局長の水越尚子氏は、「29%という日本の違法コピー率はアジア太平洋地域では比較的低い水準にあるといえるが、損害額は依然大きく、知的財産立国を目指す日本がアジアの模範となるには改善の余地がある」とコメントしている。なお、このほかのアジアの主な国における違法コピー率は、タイが80%、インドが73%、フィリピンが72%、マレーシアが63%、香港が52%、韓国が48%、台湾とシンガポールが43%などとなっている。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.bsa.or.jp/news/2004/040707.htm
関連記事:日本の違法コピーは35%で2ポイント減少するも、被害額は世界第3位
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0604/bsa.htm
( 永沢 茂 )
2004/07/07 17:03
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