富士通研究所と富士通は、RSA公開鍵暗号技術の専用回路を開発し、鍵長が2,048ビットのRSA復号計算をICカード上で可能にする技術を実現したと発表した。
富士通研究所ではRSA暗号を高速に処理するために、暗号処理の中でも特に時間がかかる乗算剰余計算を高速化する専用の積和演算回路を開発。従来、同じ長さで取り扱っていた積和データを異なる長さに分割することで、RSA暗号処理回路の高速化、小型化、低消費電力化に成功したという。
富士通研究所によると、この回路をICカード用の専用コプロセッサとして使用することで、2,048ビットのRSA暗号処理を1秒以内に処理できるという。これは1,024ビットの暗号処理と同水準で、さらに回路規模、電力消費ともに従来と比較して20%程度削減したとしている。
なお、今回開発した回路をネットワーク用LSIに利用した場合は、毎秒5,000回の速度で1,024ビットのRSA演算処理が可能だという。今後は、「FRAM(強誘電体メモリ)を用いたICカードやセキュリティ用LSIへの適用に向け、2005年ごろの実用化を目指す」としている。
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ニュースリリース
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2004/07/12.html
( 鷹木 創 )
2004/07/12 18:38
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