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CESAの辻本憲三会長
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社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は、同協会内に「オンラインコミュニティ特別委員会」を発足させ、その「オープンβミーティング」を都内で開催した。CESAの辻本憲三会長や、特別委員会の工藤浩委員長、孫泰蔵副委員長らが同委員会の趣旨や概要を説明した。
オンラインコミュニティ特別委員会は、国内外のオンラインゲームやコミュニティに関する情報の収集や、ビジネスモデルやガイドラインを検討するCESA幹部会直轄の委員会。将来的には“オンラインコミュニティ白書”の発刊も予定しているという。委員長にはハドソンの工藤浩代表取締役社長、3名の副委員長にはビー・ビー・サーブの孫泰蔵代表取締役社長、メディアクリエイトの細川敦代表取締役社長、ソリッドネットワークスの大塚恵太代表取締役社長がそれぞれ就任している。
辻本会長は、発足の経緯について「ゲーム業界はこれまでにない変化を迎えている。政府が「コンテンツビジネス振興政策」を取りまとめ、経団連も部会を立ち上げている。国や産業界から期待される新しい時代に入った」とコメント。「また、ゲーム業界自体も、CD-ROMなどメディア中心からオンラインへ軸足を移しつつある」とし、「そういった状況に前向きに対応するためにオンラインコミュニティ特別委員会を設立した」と語った。
● オンラインの問題は“グレー”なまま
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委員長にはハドソンの工藤浩代表取締役社長が就任
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「まだ、オープンβミーティングという段階だが、とりあえずスタートしようじゃないか」と会場に呼びかけたのは工藤委員長。「CESAとしてはこれまで8年間コンシューマを中心に取り組んできたが、CESA会員企業もオンラインゲームを提供したり、オンラインでゲーム配信し始めている。また、今後提供したい、配信したいなどの要望も少なくない」と現状を説明し、「CESAの培ってきたものを最大限に活用すべく、スピードを重視して設立した」という。
続いて「CESAには『特別委員会』という組織が今までなかった。これは幹部会直轄の委員会だ」と説明。「ゲーム業界として従来通りの型にはまったものではなく、敷居を低く、障害を取り除いていく」とし、「多くの業界から自由に参加していただくために“特別”とした」と強調した。
また、「リアルマネートレーディング(RMT)などネット上の問題点については認識している。しかし、それらが白なのか黒なのかわからないことが問題。ほとんどが判断できず、グレーなままなのではないか」とコメント。「難しいルール作りは後でいい」とした上で。「しかし、多くの問題を取り込んで議論を深めていくつもりだ。そのために、ゲームだけでなくいろいろな業界から参加して欲しい」と改めて呼びかけた。
● ゲームマスターも職業の1つとして社会的に認めさせる
特別委員会の副委員長を務める大塚氏は、社会やユーザーに対する役割を果たすという。まず社会に対しては、「オンラインコミュニティがどのくらいの経済規模を持っているかは正式な数字は現在のところどこも算出していない。課金ユーザー数は150万人を突破しており、正式に数字を算出し、“オンラインコミュニティ白書”を発行したい」とした。
また、「誹謗や中傷など現実社会と同様な問題は、オンラインコミュニティにもある。ユーザーモラルを向上させないと、コミュニティが崩壊してしまうため、オンラインコミュニティのあり方を示したガイドラインを制定する」と語った。また、ネットゲーム依存症や中毒症などの対策も提示し、ユーザーに対して積極的に働きかけていくという。
さらにオンライン業界に対する役割にも言及。「日本インターネットプロバイダー協会が設立されるまでは、『ISPってなんだ?』という社会の見方があった。しかし、“いかがわしい”と思われてきたISPだが、協会の設立で社会的な認知を受けている。オンライン業界も、そこで働く従業員が胸を張って働けるようになる必要がある。『ゲームマスター』といった独特な職業も社会に認知させなければならない」とした。
このほか、パッケージ販売されていた従来のゲームと異なる点に関して孫副委員長が、「オンラインゲームはISPや決済機関など関わる裾野が広い。CEDECと連携したり、産学連携や異業種コーディネートなどコラボレーションできる環境を整備する」とコメント。「事務局では、“夢いっぱいで頑張ろう”という感じだ」と意気込みを述べた。
関連情報
■URL
CESA
http://www.cesa.or.jp/
( 鷹木 創 )
2004/07/14 17:26
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