「受動的な検索」というこれまでにない形のサーチエンジン「blinkx」が22日、正式公開された。これまではβテストを行なってきていたが、将来のサーチエンジンの1つのあり方として、業界関係者の注目を集めている。
blinkxの大きな特徴は、ユーザー自身が検索行動を起こさなくても、バックグラウンドでユーザーが望む内容の検索を自動的に行なうことだ。blinkxのソフトウェアをインストールすると、Internet Explorerに小さなツールバーが追加される。このツールバーにはニュース、Web、ショッピング、ブログの検索を表示する機能があり、自分が見ているページの内容に応じてバックグラウンドで自動的に検索を続ける。何か知りたくなった時にはツールバーのボタンをクリックするだけで、その脇に10件ほどのWebサイトの候補が要約とともに表示される仕組みだ。Webサイトを読んでるとき、特定のことを調べたくなった場合には言葉や段落を選択するだけでblinkxが自動的にその検索を開始する。ユーザーが何を欲しているかをバックグラウンドで学習し続けるという点がblinkxのまったく新しいところと言える。
タスクバーに常駐しているblinkxをクリックしてクライアントを起動することで、能動的な検索を行なうことも可能だ。ここではインターネットのWebサイトやニュースだけでなく、ローカルハードディスクの中のWord、Excel、PDF、メールなど、200種類以上のメディアタイプの検索を行なうことができる。これによってインターネット、ローカルを問わず、必要な情報を1つの画面で入手するという、このソフトの思想が見える。
blinkxはユーザーの行動と密着していることから、プライバシーの扱いが注目されるが、blinkxによるとハードディスクの内容、訪問したWebサイト、メールアドレスやcookieなどに関する一切の情報をblinkx側では収集しておらず、送信もしないことを明記している。
残念ながら、blinkxは日本語に対応しておらず、日本語のページを表示しても検索を行なわないようだ。また正式公開されたばかりで、ローカルハードディスクの検索をする場合に動きが止まるなど、若干挙動に不安感がある。しかし、サーチエンジン業界で新技術の激しい競争が行なわれているなかで、blinkxはパーソナライズドサーチなどのあり方に一案を投げかけていることに間違いはない。
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検索結果の一例
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IEに追加されるツールバーを拡大したところ。非常に小さいことがわかる
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Newsタブをクリックしたところ
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Webのタブをクリックしたところ
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関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.blinkx.com/press/2004/20040722.php
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2004/07/23 12:23
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