社団法人日本映像ソフト協会(JVA)は、著作権部会で行われたDVDコピーソフトに関する法律的検討に関する結果を発表した。
市販のDVDは、CSS(Content Scrambling System)と呼ばれる技術を採用し、映像を暗号化して保存しているため、単純に複製を作っただけでは映像を再生することはできない。同協会ではCSS技術について、「著作権審議会マルチメディア小委員会ワーキング・グループにおいて『アクセスコントロール』と位置付けられたため、アクセス権が存在しない現行法では、CSSを解除したコピーも著作権法上の技術的保護手段を回避しない複製であり、著作権法上の刑事処罰の対象にはならない」とする説が有力であると紹介している。
同協会では有力説を踏まえた上で、「CSSは著作権法上意味のある視聴可能な複製を防止する技術のため、法的評価としてはコピーコントロールであり、CSSを解除するソフトウェアは著作権法120条の2第1号の『技術的保護手段回避プログラム』に該当すると解すべき」とコメント。また、CSS解除ソフトと組み合わせが可能な市販のDVDバックアップツールについても「CSS解除ソフトの入手方法が雑誌、書籍によって周知の事実となっている状況では、バックアップツールがDVDコピーに用いられることは容易に予見できる」とし、「著作権者の権利が侵害されないような手段を講じる責任がバックアップツールの販売・頒布者に生じると解すべき」としている。
また、CSS解除ソフトを含まず、別途組み合わせることが予定されていないバックアップツールについても「権利者の利益を害する程度は軽微であると言えるが、総体では利益を害する程度が大きくなる」とし、「容易なDVDコピーを謳ったソフトウェアを販売して利益を上げ、権利者の意思に反するコピーを大規模に生み出すことは私的複製とは同視できず、権利者の利益を不当に害する」との見解を示している。
関連情報
■URL
ニュースリリース(PDF)
http://www.jva-net.or.jp/jva/newsrelease/040728-2.pdf
( 甲斐祐樹 )
2004/07/28 18:49
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