オムロンは5日、豚個体のトレーサビリティ(生産履歴管理)を目的とした生体管理用のICタグを開発したと発表した。今後、オムロンソフトウェアがこのICタグを用いた畜産農家や畜産組合向けの食肉豚の履歴管理システムを2004年12月末までに開発し、当該事業へ参入するという。
オムロンは、実際に食肉豚の生育環境から個体管理を行なうためには、従来の手書きやバーコードではなく、非接触でデータ通信可能なRFIDが最適だと判断。生まれたばかりの豚の耳にICタグを取り付けることで、豚個体識別によるトレーサビリティだけでなく、肥育管理にも活かせるとしている。
オムロンソフトウェアは、飼育中に食肉用の豚個体へ与えた飼料や投薬に関する情報を管理するための、当ICタグを用いた食肉豚の履歴管理システムを開発する。
実際に豚の耳に取り付けるICタグはオムロンが開発したもので、将来的な消費流通までの拡張を考慮し、ISO15693規格に準拠した交信周波数13.56MHzを採用。豚は絶えず動いていることから、個別識別には無線LAN対応のハンディ端末機器を採用し、操作性を高くしているのが特徴だ。また、データベース管理サーバーと各農家のPC端末を接続し、インターネットを介して生産情報を一括管理できるようにしているという。
オムロンでは、2004年5月に愛知県において実際に生育されている豚の耳にICタグを取り付けた実証実験を実施。その結果、豚は好奇心が強く、耳についているタグに噛みつき、破壊されてしまう事例を確認したことから、より堅牢なICタグを開発した。また、今後も実地の情報を踏まえて改良していくとしている。
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豚の耳に取り付けるICタグ
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豚に取り付けたICタグをリーダーで読み取っているところ。黄色いのがICタグだ
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関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.omron.co.jp/press/2004/p0805.html
( 大津 心 )
2004/08/06 19:43
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