米国のネットユーザーの多くは、日常的にインターネットを使用しているものの、オフラインでの行動の方を好む傾向が強いことが、米非営利団体Pew Internet & American Life Projectの調査結果によって明らかになった。
調査によれば、88%のネットユーザーが「インターネットが日課の中で一定の役割を果たしている」と回答し、インターネットで最も重要な活動は「家族や友達と連絡を取ること」と「情報を集めること」としている。またネットユーザーの64%は「もしインターネットが使えなくなると毎日の活動に影響を受ける」と回答している。
このように米国人にとってインターネットは生活に不可欠な道具であるが、他方ではオフラインでの行動を好む傾向があることが明らかになった。
例えばオンラインよりオフラインの方を好む行動としては、ニュースを見ること、ゲーム、請求書の支払い、クリスマスカードなどの送付、電話番号や住所を調べること、チケット購入、スポーツの結果確認、音楽を聴くことなどが挙げられた。今回の調査でPew Internet Projectは、オンラインとオフラインについて18種類の行動の傾向を調べたが、そのうち17の行動についてはバーチャルな世界よりもリアルな世界でできることのほうを選択している。オンラインのほうが優っていたのは膨大なデータにアクセスする機能で、特に地図の検索に関しては87%のネットユーザーが地図を広げることよりも、インターネットで検索することを選んでいる。
一方、ネットユーザーのうち30%はインターネットが生活のなかで主要な役割を果たしており、行動も大きくインターネットに依存している。これらの人々はインターネットのベテランであることが多く、たいてい6年以上のインターネット経験があり、社会的、経済的ステータスがあり、ブロードバンド接続しているという。
今回のこの調査結果について、Pew Internet ProjectのシニアリサーチフェローであるDeborah Fallows氏は、「わずか数年でインターネットはすべての人々の生活に重要な影響を与えるようになった。しかし多くのネットユーザーは行動にあたってオフラインでの手段を選択する傾向も強い」とコメントしている。
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■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.pewinternet.org/press_release.asp?r=88
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2004/08/12 12:28
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