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ピュアP2Pソフトに著作権侵害の責任なし〜米控訴審判決


 P2Pファイル交換ソフト「Grokster」と「Morpheus」が、それを利用して交換される著作物の著作権侵害に対して責任を持つとして訴えられた裁判に関して、米サンフランシスコの第9巡回区控訴裁は19日、P2Pソフト側に著作権侵害の責任はないとする判決を下した。2003年4月にロサンゼルスの米連邦地裁によるファイル交換ソフトの違法性を否定する一審判決を支持する結果になった。

 GroksterとMorpheusは、各PCがサーバーを介さないで直接ネットワークを構成してファイル交換するいわゆるピュアP2Pソフト。なお、サーバーを媒介するハイブリッドタイプのP2Pソフト「Napster」に関しては、米国で著作権法に違反しているとの判決が下っている。ちなみに、日本国内で利用されている「Winny」はピュアP2Pソフトにあたる。

 米国の映画・音楽業界では、ピュアP2Pソフトについても「ファイル交換サービスやP2Pソフトがユーザーの著作権侵害行為を助長する」と主張。一方、サービス提供事業者側では、管理すべきサーバーがないピュアP2Pソフトでは、サービス提供事業者やソフト開発者がユーザーの利用方法を管理するのは難しいため、「ユーザーの違法行為に責任を負う必要はない」と主張して争っていた。連邦地裁による一審では、サービス提供者側の主張を受け入れ、ピュアP2Pソフトの違法性を否定する判決が下された。

 一審判決を不服とした映画・音楽業界は控訴。しかし今回の控訴審でもサービス提供者側の主張が受け入れられ、3人の判事は一致してピュアP2Pソフトの違法性を否定した。Sidney R.Thomas判事は判決文中で、「インターネットの技術革新を裁判所が止めてはならない」とコメント。「新技術の導入は、常に古いマーケット、特に確立された流通・配布メカニズムを利用して作品を販売する著作権保有者に破壊的な影響をもたらす」と述べている。

 この判決を受けて、Morpheusを提供しているStreamcastを支援しているElectronic Frontier Foundation(EFF)やファイル交換業界団体「P2P United」は、歓迎するコメントを発表。「今回の判決は、著作権保有者に対する最終的な勝利だ」とEFFのAttorney Fred von Lohmann氏。また、P2P Unitedでは「ハリウッドと音楽業界大手によるP2Pソフトに対するプロパガンダを裁判所は拒否した」と判決を評価している。


関連情報

URL
  判決文(PDF、英文)
  http://www.ca9.uscourts.gov/ca9/newopinions.nsf/E9CE41F2E90CC8D788256EF400822372/$file/0355894.pdf?openelement
  ニュースリリース(Electronic Frontier Foundation、英文)
  http://www.eff.org/news/archives/2004_08.php
  ニュースリリース(P2P United、英文)
  http://www.p2punited.org/modules.php?op=modload&name=Sections&file=index&req=viewarticle&artid=14&page=1
  関連記事:Winny開発者の逮捕理由「著作権法違反幇助」は正当か!? 〜各弁護士語る
  http://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2004/06/28/3676.html
  関連記事:米連邦地裁がファイル交換ソフトの違法性を否定
  http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0428/p2p.htm


( 鷹木 創 )
2004/08/20 17:24

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